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本家と懐き


「して、人の子よ。『白水蛇』は使い慣れたか?」

 俺とフロウは泉の中で遊びまわっているオーガを畔で眺めていた。


「ああ.....それが、まだ6つほどしか........」

 そういえば、まだシャトーが教えてくれていない。まあ、いろいろあって忙しかった、ということもあるが。


「ふむ。あの者の事だ。段階を踏んで、という事なのだろうな。」

 この幻獣は、シャトーと古い知り合いのようだな。


「だが、私の元へ人の子が来てから暫く経つ。そろそろ教えてもよい頃だと思うのだが.....」


 それは俺も思う。いくらなんでも、教えてくれても.....いや、本当に都合がつかないだけか?



 フロウは何かブツブツと独り言を言った後、俺に向かって話しかけた。


「まあ、時期もいいだろう。人の子さえよければ、『白水蛇』の術を伝授しようと思うのだが........どうだろうか。」

「........貴方さえよろしければ。」


 断る理由がない。むしろ魔術を生み出したであろう張本人に教えてもらえるならば本望だ。


 俺の返事を聞いたフロウは承知した、というと、畔から立ち上がり少し離れた林に案内した。



「りりす、どこいく?」

 二人で立ち上がったところを目撃したオーガが、俺たちの近くまで泳いできた。


「心配しなくても良いぞ、龍の子よ。人の子と術の練習をするだけだ。」

「ん!オーガ、まってる!」


 オーガは安心したように、また泳いでいった。


「あの龍の子は........貴公に懐いているなあ。」

「そう........ですか?」

 仲は悪くはないと思うが、懐いているかと言われると分からない。


「ああ。私が知っている中で、あの者の次に懐いている。」

 フロウが笑いながら言った。

 

 シャトーの次........嬉しいと言えば嬉しいが。付き合っている年数が違うと言えど俺は城に負けたのか........

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