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燻製と闘技場


「マイナス、というのは?」

 俺が驚いて尋ねると、シャトーがうむ、といつになく真面目な口調で言った。


「リリス坊達が使っている魔術はな、いくら強かろうとほんの一握りの基礎魔術に過ぎないんだ。まあ、素材がないとか、使える人間がいないとか、って言うのが主な原因だな。」


 俺も一応上位の術師だったんだが........こっちの世界だと土俵にも上がれていないのか。素材がない、つまり魔術が少ない、というのは何となくわかる。俺が手に入れた「白水蛇」ですら、聞いたことがある程度で実際に使っている人は見たことが無い。それに素材も見たことが無い物ばかりだった。


 使える人間がいないというのは........多分、魔力の差だな。


「だから、人間界とか、リリス坊がいた国?にあるのはかなり弱めの奴なんだ。」

「........なるほど?」


 じゃあ、「魔狼の咆哮」が「闘技場」では防げないかった、という事は、「魔狼の咆哮」か「闘技場」よりも上位という事か。


「で、さっき使った『魔狼の咆哮』は、えーと、15ぐらいか?」

 「10段階評価」って言葉が通じていないのだろうか。それとも、それほどまでに強いのか。


「だから、障壁が壊れる云々じゃなくて、『闘技場』で防げるレベルを超えていたんだ。ま、貫通したって感じだな!」

 貫通........網で刀が防げないのと同じか........つまり、相手にもされていなかったと。



 ん?でも、最初にウルフのボスを倒した時に、障壁にヒビが入ったよな?あれは、「闘技場」の防御範囲内だった、という事か?あの龍王が使う魔術が?


「なあ、確か、ウルフのボスと戦った時って、障壁が魔術をカバーしたよな?あれは、どういう原理だったんだ?」

 気になって尋ねると、シャトーも予想していたらしく、ああ、それはな、と答えた。


「それはな、オーガが使ったのが『光の突撃』っていう一応下の方に入る術だったんだ。........まあ、本来『闘技場』で防げるわけがないんだが.....」

 俺たちで言うところの大規模討伐レベルのモンスターを下の方の術で?「光の突撃」なら聞いたことがるぞ。使っている人は、他国で見たことがる。だが、あんな威力は出てなかったぞ?


「オーガなりに手加減したつもりなんだろうが、な。オーガは力が強いからなあ...」

 .....ああ、使い手によって変わってくるんだったな。


「で、それがどうして『闘技場』で防げたんだ?」

「それは一重にリリス坊の力さ!」


 何を言っているんだ?オーガからしたら俺なんて塵も同然だろう?


「リリス坊はなあ.....リリス坊が思っているよりも魔力が強いぞ!特に回復や防御に秀でている。だから、『闘技場』が本来の力よりも強い威力を発揮したんだ。」


 ........そうだったのか。オーガの下級魔術と俺の上位魔術+魔力がいい感じになって何とか防御圏内に入った、ってことか。



「まあ、オレも焦ったんだけどな!」

 焦ったのか。

「まさか、そこで『闘技場』で来るとは思わなかったぜ!もうちょい上の奴があるだろ~って思ったんだがな!」


 まあ、今の話を聞いたらそうなるのもわかるが。



「ま、つまり、リリス坊達が使っているのは下の魔術なんだってことが伝われないいぜ!」

 ああ、よくわかった。今後は積極的に魔導書を創ろう........


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