表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/137

重ね技と疑問


「あっ........!」

「なるほどなあ........」


 魔法陣を重ねられた炎は、小さな火となった。


「これは........威力減衰魔術か?」

「ん!」


「つまり........オーガはこれをつかって自分で自分の術を弱くしたってことか?」

 シャトーの問いかけに、オーガは大きく頷いた。


 なるほど。オーガ(龍王)クラスとなれば威力減衰魔術も相当なものになるだろう。この手の術は通常高火力の敵と戦うときに使うのもだが、勿論自分に使えないことも無い。オーガはそれを自分の魔術に使って威力を抑えたんだな。


「確かに、普通の魔術を制御するよりもその手の魔術はコントロールが簡単だからな。」

 結果として被害が出てないんだ。通常魔術は後々制御すればいいだろう。


「オーガやるじゃないか!........ところで、どうしてそれをリリス坊から教わったんだ?」


「ん!」

 シャトーに俺も気になっていたことを聞かれたオーガは、周囲に張り巡らされた「闘技場」と「鉄の砦」を指さした。


「ふたつ、ちがう!」


 ..............「闘技場」は魔術を、「鉄壁の砦」は物理的な防御を、だったな。二つ重ねれば、相反するものができると、そう言う事か?


「りりす、ありがと!」

「..............ああ。」


 こんな笑顔で言われると、悪い気はしない。それに相手は、龍王だ。国王陛下に礼を言われたようなものだ。






「ところで、どうして、さっきの『魔狼の咆哮』は『闘技場』じゃあ防げなかったんだ?傷は一つもなかったんだが........」

 3人で狩り尽くしたモンスターから素材をいただき、肉を燻製にしているときに、ふと俺はシャトーに尋ねた。


 オーガはパチパチと燃える火を見ながら、せっせと薪を足している。


「それはだな........簡単に言うと、その魔術の力不足だ。」

 魔術の?俺ではなく?


「魔術の力不足、というのは........?」

 俺が訝し気に聞くと、シャトーはこんな質問をした。


「ときにリリス坊よ。それは、『闘技場』だったな?」

「ああ。」

 俺の、というか王国の中でも中でも一番の魔術防御術だ。


「それは、リリス坊の中だとどの位の立ち位置だ?」

「これは........10段階中9だな。ほぼ10に近い。」

 10、と言わないのは、多分魔導書集「白水蛇」が一番強いから。次が「魔狼の咆哮」だろう。





「よく聞けよリリス坊。その『闘技場』はな、オレ達の世界では、マイナス10ぐらいしかないんだ。」


 

  ........マイナス1でもなくマイナスなのか?じゃあ、この世界(幻獣の世界)ではどうなっているんだ? 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ