表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/137

オルシア王国、預言者の祭壇


 オルシア王国の外れにある小高い山の上にガルーンら大規模討伐に参加する熟練のハンターが集まっていた。


ガルーンたちが囲んでいるのは、輪の中心にある大きな焚火の向こうにある祭壇だった。


 パチパチと燃える炎の向こうでは、一人の高名な術師がいた。

「神よ........お答えください........」


 何やらブツブツと呟いた術師は、そのままゆっくりと舞を踊り出した。


「この術師の預言はな、当たると有名なんだ。だからこうして、まあ........ゲン担ぎ、というやつだな。」

「例え確証のないことだとしても『勝つ』と言ってもられば、士気の一つや二つ上がるだろう。」

 二人のハンターからそう耳打ちされた新人の大剣使いのハンターは、へえ、と頷いた。

「ここからではよく見えないのですが........今は何をして言うのでしょうか?」

 先ほどのハンターのパーティーのメンバーと思しき魔術師の女性が背伸びをしながら訪ねた。このパーティーと二人のハンターの他にも多くのハンターが集まり、人だかりとなっていた。


「今は......何か、預言を授かっているな。」

 弓を持ったハンターも、少し背伸びをして答えた。


「そろそろ来るんじゃないか?......お、何か言っているぞ。」

 ローブを纏ったハンターが、職業柄優れている聴力を頼りに、術師の声を聞き取ろうとしたが、その必要がないほどの声で、術師が預言を叫んだ。





「見える......見える!......森の中......倒れている......大きな影......銀の.....戦士......!」




「銀の戦士だって?!」

「銀って言ったら、『銀の槍』のガルーン様の事じゃないか?!」

「大きな影って...あのドラゴンの事か?!」


 歓喜にも似たざわめきがハンター中に広がった。勿論、この古参のハンターも例外ではない。


「ふむ......これは........」

「まさか、ここまで出るとはなあ。」


 

 輪の中心で預言を聞いたガルーン様は、勝利を確信したかのように嗤った。


「あの、どういうことですか?」

 状況が飲み込めない新人のハンター達の耳に、ガルーンの冴えわたる声が聞こえた。



「皆の者、聞いたか?神も我らの勝利を預言している。恐れることは何もない。龍の森の黒き龍を討伐し、我が国の平和を築こうではないか!」 


 

 祭壇の周りに、大きな雄叫びが響いた。

PV15,000突破致しました!ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ