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ギルド館、応接間にて

 

 ギルド館の応接間にはガルーンが一人の部下から報告を受けていた。

「で.......被害のほどは?」

「は、倉庫に搬入予定だった火薬が全て使用不可、また、納入予定だった武器が『千里の海』の増水により遅延するとのことです。また『龍の森』への進撃ルートも倒木などが相次ぎ、『龍の森研究所』にも落雷被害が出ているとのことです。」

 部下からのこれでもかと言うほどの被害報告を聞いたガルーンは、深くため息をついた。


「まさか、こんな季節外れの大雨に襲われるとはな....」

「全くその通りでございます。この他にも国内をながれる川が氾濫し、大規模討伐参加者にも被害が出ているとのことです。」

「ふむ....」 

 かく言うガルーンも親類の家が倒壊寸前になり、ここ数日復旧作業を手伝ったところであった。



「どうしたものか........」

 一瞬、あの龍の仕業かと言う考えがよぎったが、ガルーンはそれを振り払った。


「........まさかな、まさか、そんなはずはない。」

 ただでさえ深い森の奥に住むあの龍が聞きつけるはずがないと自分に言い聞かせた。



「いかがいたしましょうか、ガルーン様。出発の日時を延期いたしますか?」

 少なくとも、あの倒木が撤去されない限り「龍の森」にすら到達できません、と続ける部下の言葉に、ガルーンも頷くしかなかった。



「分かった。大規模討伐は延期だ。3日後となっていたが、一週間後に延期とする。皆に伝えるように。」


「はっ。」

 一礼して退出する部下を見ながら、ガルーンは龍の森研究所へと電報を打った。




 




      大規模討伐 延期 道 倒木で通行不可  

        至急 代替えルートの捜索を頼む     



          オルシア王治安部隊隊長 ガルーン



「まあ、己を高める時間が増えたと考えるとしよう。」

 ガルーンは軽くため息をつくと、窓の外を一瞥し、応接間を後にした。





 


 

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