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焚火と素材


「まずなーオーガ、術はイメージなんだ。威力ってのはその人がイメージしたぐらいのやつとその人の能力によって決まるんだ。」

 それは初めて聞いたな。両親は頭の中で想像して、とは言っていたが、使用者の能力にも関係しているのか。


「ん!」

「でな、オーガの場合はな、イメージが大雑把なうえにそれを再現できる能力があるから大変なことになるんだ。」

 そう言う事だったのか。「焚火ぐらい」と言っても焚火が分からないのか。


「ん!」

「だから、イメージをしっかり持って、必要以上の威力を出さないようにするんだぞ!」

「ん!」

 

「じゃあまず火炎魔術からだな!え~とリリス坊、ちょっと火を起こしてくれないか?肉を焼いたぐらいのやつだ。」

「わかった。」

 あれぐらいだな?それなら、と俺は魔法陣を展開し、小さな炎を出した。


「これでいいか?」

「ばっちりだぜ!先ずはこれをイメージするんだ。物を焼くぐらいならこれで十分だからな。くれぐれも獣を相手にするときは火炎は使うなよ!」

「ん!」


 そうだな。それは正しい判断だと思うぞ。一歩間違えれば辺り一面焼け野原だからな。水か氷なら救いようがあるんだが。





「じゃあ次はリリス坊だ!まず、リリス坊はどの系統が得意なんだ?」

「俺は回復系が主だ。攻撃はあまり......」

 昨日の魔獣.......バッファローと言うのを倒したのが最高クラスですとは言えない。

「なるほど.......となると『死の足音(あれ)』が最高か。」

 なぜわかった。


「驚いたか?俺も魔術師のはしくれだからな!」

 なるほど。じゃあ最初に城の明かりがともったのはシャトーだったのか。長生きすれば城でも魔術は使えるんだな。


「家系や人によって得意不得意があるからなあ。リリス坊はオーガを完治させるほど回復魔術に優れている分他の........特に攻撃が不得意なんだ。」

 なるほど。とすると俺は前者か?元が不治の病に侵された患者を治すために魔術を習得したらしいからな。


「ただバッファロー相手にそれじゃあな.......この先心配だぞ?」

 なんか城に人生を心配されたんだが。


「威力を上げるだけじゃ限界が来るからなあ........」

 限界ってあるのか......?それは初めて知ったんだが......


「うーん............やっぱり持って来て正解だったな!」

 シャトーがブツブツ言いながら本をバサバサさせながらオーガに近付いて行った。


「オーガ!あそこに行くぞ!」

 どこかの国の不思議な祭りの火程の炎を出しているオーガがくるりと振り返った。俺はそんなサイズは出してないぞ?


「!いく!」

 すぐに魔法陣を消すとトコトコと俺の近くに来た。


「どこに行くんだ?」

「それはな、泉の守り神のところに行くんだ。新しい魔術を手に入れるんだぜ~」

 新しい........魔術?


「魔術を.......?どうやって?」

「素材をもらいに行くんだ。何百年の仲だからな。多分頼めばくれると思うぜ!」

 素材、と言うのは魔術が書かれている魔術書を創るための材料のような物なんだが、かなり貴重なものが多い。だから既存の物を皆で、が当たり前なんだが、まさかここではその"当たり前"も通用しないんだろうか。


「この森は幻獣がたくさん住んでるんだ。そんじゃそこらの素材なんてたくさんあるぞ!」

「オーガのなかまいっぱい!」

 はーんなるほど。やっぱり通じなかったか。


「最初だからな.........リリス坊には『白水蛇』を覚えてもらう。」

 水魔術上位クラス(白水蛇).......もうすでに一生遊んで暮らせるぐらいの価値があるんだが。


「いずみちかい!いく!」

 


 この二人といると、いつか物の価値も狂っていくんだろうな。 

次回:力が欲しいか........?

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