採掘開始
「オレは強化バフをかけるぜ!エメラルドを砕かないように注意して....」
シャトーはオーガがこれまでに掘った距離を考慮し、適正な強化魔術をかけてくれるようだ。であれば俺はツルハシの能力を強化しよう。
シャトーが使っていたツルハシを見てみると大分刃こぼれがあった。まあ、あのパワーで振っていればそうなるのは仕方がないか。取り敢えず修繕して....
「『蛍の群れ』」
魔法陣から光が溢れ、ツルハシに群がると、あっという間に刃こぼれは治っていた。
よし、次は刃の補強だ。まずは「鋼鉄の身」と「不朽の刃」で固くして、次は切れ味を強化しよう。
「『鎌鼬』」
これで強化はいいか。一応「一閃」を入れておこう。
「できたかリリス坊?」
「ああ、完成だ」
「こっちもできたぜ!」
「ん!」
心なしかオーガが魔術の影響で輝いて見えるが、まあ気のせいか。
「じゃあ始めようぜ! 狙うはあの青い光だ! あんまり掘りすぎるなよ!」
「ん! 掘る!」
頼むから掘りすぎて砕かないでくれよ。
「頼むから掘りすぎて砕かないでくれよ!」
同じことを言ったな。まあ、それだけが心配だからな。
「じゃあ、エメラルド採掘開始だ!」
シャトーの掛け声とともに、オーガは力いっぱいツルハシを振り上げた。