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男の子と基準

「仕返し....? ああ、クルスが言ってたやつか」

「それだぜ!」


 テンションがさっきと打って変わったな。


「せっかくやるんだったらデカいやつを仕込まねえとなあ! くー!楽しみだぜ!」

「たのしみ!」


 オーガ、お前は意味わかってるのか? というか、何故仕返しをする前提で話が進んでいるんだ? 俺はまだ一言も言っていないのだが....?


「いや、あの、シャトー。俺はまだやるとは言ってないぞ? それにクルスの話も本当かどうかわからないし....」


 さっきまで敵だった奴の話を信じるというのも、な。そのあたりはどうなんだ、シャトー。


「いや、あれは本物の目だったぜ。オレには分かる」


 いや、どこから湧くんだその自信は。確かに嘘をついているような感じはしなかったが。


「面白いことを思いついたオーガ(男の子)は大体あんな顔をしているさ。オレがどんだけ見てきたと思ってるんだ?」


 いや......そうだな。多分お前は何度も見ているはずだ。|オーガの破壊行動《暇を持て余した龍王の遊び》をな。そんなお前がそういうならそうなんだろう。あの上司が来るかどうかは知らんが、国軍が来ることは間違いない。その対策のためにも準備は必要だ。


「......わかった」

「そうこなくっちゃなあ!」

「オーガ、てつだう!」


 俺は右手を高らかに上げたオーガの顔を見た。

........確かにさっきのクルスから「悪さ」を抜けばこんな好奇心の塊になるかもしれないな。




「で、シャトーは何か策があるのか? 俺は特に持ち合わせていないが、さっきの口ぶりだと『デカいの』があるのか?」


 ソファの目の前にオルシア王国と森が描かれた地図を広げながら俺が聞くと、シャトーがよくぞ聞いてくれました! とばかりに口を開いた。


「当然だ! 聞いて驚けよ! オレの作戦はな、大魔導書集『幻獣の宿命』を使うんだ!」



 大魔導書集......? 魔術師ならば誰もが耳にする、もはや伝説上の物とまで言われているものを、こいつはなんてことに......


 俺は改めて「デカいの」の基準を改めようと心に誓った。

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