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苺のショートケーキ  作者: 松村かれん
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キス

 二人がBLごっこをはじめて一週間が経った日の昼休み、屋上のベンチでお弁当を食べていると弘樹が雪夜にこう言った。「俺達、キスしようぜ。」                                                                             「えっ?」「ほらカップルなんだからキスするのは当たり前だろ。」「うん。わかった。じゃあ弘樹君が僕にキスして。」                                                                                          実はBLごっこをはじめて次の日、カップリングを決めていた。その結果、弘樹が攻めで雪夜が受けとなった。でも受け攻めらしいことはしておらず手をつないで帰ることしかしていなかった。のでこのキスははじめての受け攻め行為となる。                                                                                    「いくよ。」弘樹は雪夜の唇にキスをした。初恋はレモンの味とよく言うがどちらかというと味はさっきまで食べていたお弁当の味だった。しかし、二人がこんなに近づいたのははじめてだった。そのせいか雪夜はこう思った。「弘樹君ってドーナツの香りがする。」                                                                        弘樹はお弁当の時にドーナツなど食べていない。でも、ドーナツのような甘い香り。ドーナツのような優しい香り。キスは片手で数えられるくらい短い時間だったが、雪夜にとってそれは濃厚な時間だった。                                                   雪夜は弘樹に抱き着いた。「弘樹君の匂い好き。」ドーナツの香りが濃くなった気がした。弘樹の心もだんだん揺れてきた。そして弘樹は雪夜の頭を撫でこう言った。「こんな可愛い雪夜が俺のネコで良かった。これからも一緒にいてくれるか?」「もちろん。僕の彼氏は弘樹君だけだよ。」そして二人は目を合わせクスッて笑った。                                                                                          放課後、二人はいつものカフェによった。新作メニューに『はちみつレモンドーナツ』と書いてあった。「今日の事みたいだね。」と笑うと二人はそれを注文した。食べている最中、色々なことを思い出し心臓がドキドキする。さっきまで顔を合わせて笑っていたのになぜかそれも恥ずかしい。そして二人はこう思った。「こいつのこと」「本気で好きなのかな。」                                                                           二人がいつも通り手をつなぎ帰っていると、雪夜が突然立ち止まった。そして、弘樹の裾を引っ張りこう 言った。「今日、弘樹君の親二人とも仕事で帰ってくるの夜遅いよね?」「うん。それがどうしたの?」「今から、弘樹君の家寄っていい?」「えっ、いいけど。どうしたん?」                                                                「僕、にゃんにゃんしたい。」                                                                        

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