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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
82/313

82.時間稼ぎ

 少し後退して出来る限り引き付けたので、30人くらいがほぼ一纏りになって追ってきている。完全に屋敷の敷地内から出てきたのを確認し、非致死性ゴム弾に切り替えた機銃の狙いを定めて撃ちはじめる。

 

「ぎゃ!」


「ぐぇっ!」


「うげぇ!」


 それぞれ悲鳴を上げながら地面に倒れていく。出来る限り逃げ帰らないように、回り込むように前進しながら機銃を連射、走って逃げようとする人を優先して狙う。

 どうしても足が遅いから走る人には自力で追いつけないんだよね。

 何人かは倒しきれず屋敷内に入っていった。


「くそ! かなり強いぞ!! ドラゴンを出せ!!!」


 青い色をした体長3mくらいの翼が無いドラゴンが屋敷の入り口から出てくる。そこそここの世界を回ったけど、ワイバーンは見かけたけど野生のドラゴンは全く見かけてない。

 もしかしてドラゴンが多くいる地域に重要な支部があって、そこから他の地域に派遣してるのかな?

 

「ぐぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 ドラゴンがこちらに向け大口を開け四速歩行で走ってくる。

 逃げるように見せるため全速力で非致死性ゴム弾の機銃を連射、痛そうなそぶりを見せることも無く一直線に向ってくる。


「ははは! ドラゴンに奴の攻撃がきいてないぞ!! 全員前に出て術者を探せ!!!」


 わざわざ大声で考えを言ってくれるのはとっても助かる。もう少し逃げ回るかちょっとやられる振りをして、出来る限りこちらに引きつけよう。

 ドラゴンはそのまま大口の中に炎の玉を作り出し、避ける暇も無くこちらに撃ちだしてきた。

 ファイアボールよりずっと大きい炎の玉、車体正面にぶつかり大きく弾けそこそこの衝撃を感じる。でもやっぱりそこそこでしかない。

 ケーニクスティーガーは第二次大戦で正面装甲は最強だったと読んだ事あるけど、まさかドラゴンの攻撃までなんともないとは思わなかった。少し怖いけど、どれだけ頑丈か試してみようかな。

 停車するとすぐにドラゴンに組み付かれ、その爪と牙が車体に襲い掛かる。

 

「やれぇ! ぶっ壊しちまえ!!」


 爪で引っかかれ噛み付かれているけど、やっぱりなんともない。さすがに砲身に噛み付かれ、引き剥がされそうになると痛いけれど、エンジンの回転数を上げて念動力で引き剥がせばなんとかなる。

 屋敷の方を見るとほとんどの人が倒れた人を介抱したり、たぶん術者っていうのを探しているみたい。

 最大までエンジンの回転数を上げ、大きな唸り声のような音を上げながらドラゴンを引き剥がし、思い切り遠くに投げる。といっても重量もあるし馬力にも限りがあるので、3mくらいのところに着地した。

 でもこれで充分、主砲71口径8.8 cm KwK 43 L/71の狙いを定め発砲、ドラゴンの体を貫通し地面にめり込んでから小さな爆発を起こした。

ざっとした説明

主砲71口径8.8 cm KwK 43 L/71:

第二次大戦中では凄く威力のあった戦車の砲。同時期の戦車ならほぼ一撃必殺。

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