8.情報収集と資金を稼ぐ方法
休憩を挟みつつM24戦車になって一日、次の村カンドに着いた。
食料費に関所や門を通る時の通行料、ゴタゴタを回避する為の口止め料や賄賂等、どの世界でも資金はいくらあっても困らない。何よりも次に訪れた村カンドでは門番に賄賂のように銀貨を2枚渡す事でろくに調べられず入村することができた。村の中はひとつ前の村と違って石造り建物が大通りに面して建てられており、通りも人通りが多く活気がある。
「ゴーレムに乗ったあんた、この町は始めてかい? 1000ビタで案内するよ」
門を抜けてゆっくり走っていると声を掛けられた。案内を生業としていると思われる若い女性、まだどこかあどけなさが抜けていないが、カイは相手が女性だと分かり笑みを浮かべる。
「オレにあったギルドを探している。 いくつか教えてくれないか?」
微笑みながらカイが問いかけると僅かながら案内人の女性の頬が赤くなるが、数秒で商売人の表情に戻ると片手をカイに向けた。
「あっ、あぁいいよ。 それじゃ先払いで300ビタ、終わったら残りの700ビタを貰うからね」
「頼む」
カイが皮袋から取り出した300ビタを受け取ると前を歩き始める。
「あれが村一番のギルド 森の騎士。 60人くらい所属してるけど、数は力って感じであんまり強くないかな?」
門からすぐ近くにある石造りの建物は立派な看板を掲げており一番というのも納得できた。今も剣を持った何人かが出入りをしている。
「次が向かいのあれ、ギルド ハゲの会。 30人くらい所属していて皆ハゲてる。 他に村にも提携ギルドがた~くさんあるけど、ハゲの人しか所属できないんだってさ」
印象的過ぎる看板とギルド員、他の村にも提携ギルドがあるという話には非常に興味があるけど、そもそもハゲの人しか所属できないならどうしようもない。それから案内され村の反対側近くまで進み、一つ路地を入った場所に案内された。
「あれが村で一番小さいギルド 硬殻の剣、6人くらい所属してるけど、村では信頼されてる」
一軒家に似た小さなギルド、小さな看板が掲げられているだけで目立つものは何もない。
「助かった。 残りを支払う」
残りの700ビタを案内をしてくれた女性に渡すとカイはギルドに入っていく。残念ながら入り口が狭く木造なので自分は中に入れないので、中で何がどうなるかはわからない。待っている間、お金を稼ぐ手段を考えておく。
単純に護衛なら安全だし負けることはまずないし、この前取得した 車外装備対応 で色々旅に役立つものが使える。
備品:簡易仮設トイレ(並) 12SP
備考 一人用仮設トイレ 非水洗式
これが役に立つと思う。自分が人間だったらとりあえずトイレは欲しい。次にちゃんと眠れるところ。カイは戦車内部の席でも上等だと言って眠れてはいるけど、良い環境で眠れるならそっちの方が良い。
備品:2人用天幕 10SP
備考 2人用のテント
備品:宿営用天幕 25SP
備考 最大6人使用可能テント
この辺りが村間とか町間の護衛で需要がありそう。時折通り過ぎる乗り物は馬車だけで快適な旅が出来るとは思えない。出来れば野外炊飯1号と2号も使ってみたいけど、この世界の食材がさっぱりわからないので当分の間は使えないと思う。
そんな事を考えているとカイが女性と共にギルドから出てきた。たぶん40代くらいだと思う女性は腰に剣を下げ、こちらをじっとみている。
「リョウがオレの仲間で、大事な相棒だ。 依頼があるなら共に受ける形となる」
突然紹介され何も言わずに困惑していると近付いてきた女性が軽く車体を叩いた。
「珍しいゴーレムだねぇ。 こんな形初めてみた。 力は強いのかい?」
「戦っても強いが、もういいか? 依頼を受ける前に確認すると言う話だろう」
「あぁ、そうだね。 それじゃこれだよ」
紙がカイに手渡される。内容は読めないけどどうやら中で話が進んでいたみたいだ。カイなら信頼できるし大丈夫だと思うけど、一体なんの依頼を受けたのだろう?
「クァン村までの護衛依頼。 確かにあんたに任せる」
宜しければ下記も書いておりますので御願いします。
異世界に転生者は不要
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