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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
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4.需要?と供給

 それにしても、自分が人でない事をしっかり意識しておかないと今後も変な失敗をしてしまうかもしれない。うっかりとはいえ、自分が人間のつもりで村に行ってしまい、追い回されるなんて真似はもうごめんだ。自覚大事、自分はいま人間じゃない人間じゃないと。そう自分に言い聞かせながらカイの姿を見て少々不味いと気付いた。

 鎧の下着のようなアンダーウェアと剣だけの今の服装だと男共に口説いてください襲ってくださいと主張してるようなもの。何かしら服はないかと備品一覧に意識を向けると少なからず該当はあった。


紫紺の外套 8SP


 膝下まであるただのコートだけどないよりはずっといい。服一式はさすがに浮くだろうし、何よりもSPが足りない。出来れば鎧一式があればいいのだけど、SPで入手出来る備品にそんなものはなかった。戦闘装着セットと隠密行動用戦闘装着セットはあるけど、鎧というわけではないしこれは銃を扱うのに向いた物だけ。なんというか、自衛隊の備品・購入品・装備品以外の入手は出来ないみたいだ。

 選択するとSPが消費され何もない空間から紫紺の外套が現れ車体の上に置かれる。外套を着てもらうと少しはましにはなったが、やはり出るところが出過ぎていて余り効果がない。


防弾チョッキ3型(改) 10SP


 さすがに外套の下に着ると胸の形をきっちり隠せている。これなら問題はないと思いたい。着替えたあと体に合わせるためカイが準備運動をしていると今度は狼と出くわした。はぐれ狼みたいだが地球の二倍くらい大きい。


「オレに任せてください」


 元のキャラと同じ言葉遣い。今は主従があるだけでコピーそのものなのだろう。外套を脱ぎ捨てるとファルシオンを掴みはぐれ狼に向って構える。


「血で汚れると大変だから気をつけて」


 実力もコピーそのものだとしたらこの程度相手に怪我一つ負う事は無いはず。少し気にかけていたのだが、飛び掛ってきた狼を横に避けながらあっさりと首を落としてしまう。一滴も血を浴びておらずまるで本の中と同じ見事な動き。


「さすがカイ、3人で12戦将軍と互角と言われた女傑だけあるね」


 剣士であり魔法使いであり戦神の神官。その実力は設定上主人公とラスボス級を除けば最強クラス。この世界で何かをするのにとてもたよりになる。


「お褒め頂き光栄に御座います」


 硬い、主従であれば間違っていないんだけど、他者に見られた場合妙な事になりかねない。


「もう少し簡単に、同僚くらいのつもりの言葉使いに」


「尽力、いえ努力してみる」


 倒した狼をじっくり見ると、大きいけど毛並みも好いし売れそうだ。地球でも頭数が減ったり保護団体が言い出すまでは狩猟されていたのだが、この世界ではそれはなさそうだ。

 車体に乗せると滴る血で汚れそうなので、何か運べるものはないかと意識を向けるとちょうどいい物があった。


需品装備: リヤカー(並) 11SP


 これを使えば車体の後部に繋げて牽引できる。選択するとすぐ目の前にリヤカーが現れ、なんとか付属品のワイヤーで車体後部に繋げ牽引できるようにした。

 現在のSP:26+20。+20はたぶんカイが狼を倒したのが理由だと思う。状況からして主と従者なので従者が倒してもこちらにある程度SPが入ると思ったほうがよさそう。そうなると逆に私が倒しても従者にある程度の配分があると思ったほうがいい。試したいけど無反動砲は大げさ過ぎるし、スポットライフルじゃ倒しようが無く、踏み潰す以外手が無い。

 リヤカーに狼の屍骸を載せ、カイには誰にでも見えるよう車体の上に座ってもらい、前回とは異なる南東にある村に向かう。主の上に乗るなんてと少し抵抗されたが、そうでもしなければ危険じゃない相手と他の人に理解してもらえないと納得してもらった。


すごく簡単な説明

紫紺の外套:

紫紺色で標準より若干生地が厚くて丈夫なだけのコートです

自衛隊の官給品ですね

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