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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
33/313

33.支援活動 綺麗な水は大事(組立)

 翌朝、さっそく作業に取り掛かる。一段だとろ過しきれないと思うから、段々畑みたいに三段式。6m、4m、2mの槽でろ過して、一番下の水槽に溜める形。


「念のために聞くが、自然水式ではないだろうな」


「自然水?」


「あれだ」


 指差された方向にはレンガで作られた水槽みたいなものがある。

 近付いて覗いてみると、土で埋まってしまって草が生えているけど、これはまさかろ過装置かな。

 

「リョウ、中を見てみろ」


 水槽を掘り返してみると、中は土と砂と砂利がめちゃくちゃに詰め込まれている。誰かは知らないけど、緩速式ろ過装置を完成させかけていたのかも。


「余り綺麗にならない上に時間も掛かる。 本どおりに作ったが対して役に立たなかったからな」


「オレ達が作るのは問題ない。 リョウ始めてくれ」


「そうか、それなら私もやってみよう」

 

 最初は一人でどんどん作っていこうと思ったけど、自分も作り方を覚えるといってバートンさんもメモをとりながら一緒に作っていく。下働きの人たちに命じないで自分でやるなんて、本当に変わり者だと思う。


 まずは土固め、固い場所まで掘ったらひたすら叩いてレンガを積んでも傾いて壊れないように、段々作りに、ついでに外側もレンガで崩れないように。

 とりあえず1層と2層は5X5X2の大きさで、3層目は5X5X1と階段状に。

 管理が大変になるけど、ろ過する層が厚ければ厚いほど、水は綺麗になるからね。その分ろ過する速度は遅くなるけど、そこは広さで量をカバー。

 念動力の範囲が広いし、手が汚れる事もないのでどんどんレンガを積み上げ、レンガの固着剤でろ過槽が固まるまで五日待ちつつ、その間に領主家への水路を少し延長して繋げさせてもらう。

 一段目に勝手に水が流れ込んで、溢れる分は水路本流に戻るようにと。これだけで半日近くかかったけど、これも固まるまで五日待ち。

 その間に用意してもらったろ過材料、井戸水で綺麗になるまで全部をひたすら洗う。地道にちまちまと汚れが出なくなるまで。


 五日後、ろ過槽に綺麗にした材料を投入。

 一番上の槽は砂利と砂。たっぷり砂利を敷いてから満遍なく砂を敷き詰める。

 真ん中の槽は玉石をしっかり敷いて、その上にもう一度砂利と砂。ここは木の板で蓋をしちゃってごみが入らないように。

 一番下の槽は炭と玉石、玉石をしっかり敷いて、炭は粉々に砕いたり、まだ形が残ってるままモノを、隅々までこれでもかってくらい炭を敷き詰める。  すみだけに。

 最後は綺麗になった水を貯めて置く槽、蓋だけ作って終わり。ただ7×7×2と層は大きい。

 あとは閉じていた水路を開いて一槽目に水を流れ込ませる。

 

「これで綺麗になるのか」

 

 一槽目から二槽目に流れ込む穴から水が流れ出してこず、半信半疑でバートンさんは眺めているけど、最初は中々でてこないんだよね。学生時代に小型モデルで実験したけど、広さはともかくぶ厚いろ過層のおかげで、ちゃんと作ると時間単位で5cmとか10cmくらいしか浸透しないから、二槽目を通過するまでにざっと二日くらい。三槽目はたぶん半日くらいかかると思う。

 何せメンテナンスがしやすくて、古来からあるろ過方式だから時間がかかってしまう。薬品とか浸透圧とか使えば早いんだけどそんなものはないし。


「三日後になれば分かる」


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