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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
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14.クアン村へ

 朝日が上がってくるとコッケドリというニワトリっぽい生き物の鳴き声が響き、それに伴って村人達が少しずつ家から出てきた。一瞬こちらをみて驚いているようだけど、動かずじっとしていると興味を失い井戸や薪を取りに行く。

 各家々から炊飯の煙が上がりだすとギルド森の騎士の冒険者たちも集まり、商人が乗った馬車と荷馬車も村の入り口に到着した。


「これからも危険だが、ゴーレムの魔法に期待しているぞ」


 どうやらちゃんとみていなかったので、機銃掃射を魔法に思ってくれているようだけど、もうやりたくはない。次があったら体当たりくらいにしておこうと思う。護衛の配置は往路と同じだけど、村を出てからカイはずっと砲塔の上に座って周囲を見回していた。


「やはり警戒しているだけでこちらを襲おうとはしない。 どうやらギルド 森の騎士の中の誰かを知っているようだな」


 一度でも辛うじて逃げることが出来たのなら、二度もそんな奴らを相手にするのは馬鹿だとおもう。何かの本で読んだけど、賢く生きるのならそこそこの稼ぎで抑えて、危険を徹底して避ける臆病な盗賊が結局一番生き残るらしい。

 何体か獣が出てくるが、森の騎士達が仕留め、障害とならず予定通りクアン村手前の野営地に着く。ここで一旦馬車を置いて荷馬車だけでクアン村へ向う。すぐに着くらしいけれど、少々獣の襲撃が多い為に分散させない方がいいらしい。簡易トイレを置くと、今回は女冒険者達だけではなく、馬車の商人家族も興味を持ったみたいだ。


「使うか? 女ならトイレは個室の方がいいだろ」


 カイが促すと婦人と女の子が、女冒険者達が使った後恐る恐る使用し、すっきりした顔で出てくるとやはりカイに幾らか、600ビタを支払った。

 往路では野営地の隅にある木の囲いの中で用を足していたみたいだけど、一応目隠しになっても、女性としてはやはり辛い。安全な日本で暮していたけど、やはりトイレ以外でするのは避けたい。少し思うところはあるけど、生理現象がない戦車になって良かったと思う。


「便利ですわね。 似た物を作らせれば良いのですけれど、輸送するのは大変ね」


 商人の奥方は目敏く有効性を考えているようだけど、それなりの重量があるのでたぶん荷馬車に積むのは難しいと思う。でもこういった野営地に設置式の物を作るのは良いかもしれない。ただ、喋る訳には行かないので、自力で構造を考えて作ってもらおうと思う。

 婦人は簡易仮設トイレの臭いも気にせず、構造をあれこれ調べ始めている。難しい構造ではないのですぐにわかるとは思うけど、排泄物BOXの中身を土に埋める面倒さを気付いたらどう思うだろう。一応野営地のときは皆が寝静まった後、地道に穴を掘って中身を全部埋めておいたけど、結構大変だと思う。


「これを売ってくれないかしら。 そうね。 村に戻ってからだけど200万ビタ支払うわ」


 あっさりと高額な金額を持ち出され驚いてしまう。それほどの価値があるなんて思わなかったけれど、商人の目からすると、似た物を作ればそれ以上に儲けられると考えたんだと思う。


「すまないが、これを売るつもりは今のところない。 リョウ、野営地を出る前に積み直しておけ」


 カイなりに丁重に断るのを見届けると簡易トイレをリヤカーに積み直す。婦人は少し残念そうにしていたけど、諦めていないらしく何かしら考えているみたい。さらに金を積むのかもしかしたら買い取らずに詳細に調べさせてくれと言って来るのかも知れない。別に危険なものでもないし、調べさせてというなら、それは問題ないとあとでカイに伝えておこう。


転生者は不要

https://ncode.syosetu.com/n3351ex/

二章前半が終了いたしました。1~2週間更新がなくなる事をこちらでもお伝えします。

なお、戦車はまだまだ通常更新は続きますので、ご安心ください。

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