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47 歌姫ディーヴァ、メジャーデビュー!


 待ちに待った、12月31日の大みそか。この日の20時から年越しまで、どの局でも特番が組まれている。とくに注目すべきは、国営放送と民放の放送局で行われる歌謡祭だ。

 アルヴィンやセルヴィ達もファンクラブ名誉会員、および放送局の筆頭株主として、番組の最前列に並ぶ。

 全員が鼻息を荒くして、興奮した様子で、今か今かと出番を待ち望む。


 そう、今日は我らが歌姫、ディーヴァのメジャーデビューの日なのである!


 司会の声とともにスポットライトが照らされ、ディーヴァが姿を現す。スパンコールをあしらった、黒いシルクのタイトなドレス。紫や青系のパステルカラーで染められた長い髪を綺麗に結って、ディーヴァがステージへと上る。


「それでは歌っていただきましょう! 期待の新人、ディーヴァさんで、「平和の翼」です!」


 ゆったりとしたオーケストラ、コントラバスの音が旋律を奏で始める。静かなイントロに、騒いでいた観客も静まり返る。そして、脳髄に響き渡るディーヴァの歌声が、観客を、テレビの向こうの茶の間を、ラジオの向こうの聴衆を虜にする。


 We can fly.

 私の羽根 今羽ばたくの

 旅立つ君 過ぎた日々

 追いかける どこまでも


 You can lead.

 解き放たれ 導かれるの

 あなたに託す 願い

 Peace of wing.



(意訳)

 平和への賛歌があなた達を導きます。みなさん、平和への賛歌に付いて行きましょう、平和への賛歌に投票しましょう!    



 ディーヴァの圧倒的な声量、楽器のように滑らかな歌声、卓越した歌唱技巧に、人々は感動に震えて涙をこぼす。最初は全く無名の新人を見下していた人も、歌い終わった頃にはスタンディングオベーションで拍手が送られた。

 その後の国営放送でのステージも大成功に終わった。


 当日から放送局にはディーヴァに関する問い合わせが殺到し、ニコラスの経営するレコード会社も、それは同様だった。12月31日にリリースした楽曲は、CDは全て売り切れ、インターネットのダウンロード数も国内最高数を記録した。

 CDはシングルでなくアルバムで、収録されているすべてが名曲だと絶賛され、瞬く間に彼女はヨーロッパ中に知れ渡った。


 その後、ディーヴァは世界の歌姫として、世界中から脚光を浴びる人気歌手になるのだが、プロデュースしたセルヴィは大満足である。


「やっぱりディーヴァさんみたいに透明感のある女性には、ああいうミステリアスな感じが似合うよね。彼女のキャラにハマってて良かった」


 髪を青系に染めて欲しいと頼んだのはセルヴィだった。頭頂部は濃いパープルで、毛先に向かってグラデーションになっており、毛先は真っ白だ。その奇抜ともいえるヘアスタイルが、彼女のイメージには恐ろしくマッチした。

 また、彼女の素性はほとんどが明かされていない。解っているのは性別とディーヴァという芸名だけだ。そのミステリアスさも人気に拍車をかけている。

 人間と言うのは、未知なものにこそ興味を惹かれるものだ。


 アルヴィンが満足そうにディーヴァのスケジュールを見ていた。既に彼女は海外公演も決まっている。この分なら、予想より早くEUを掌握できそうだ。


 全く、自分の周りには有望な人材が多すぎる。大変ご満悦で、アルヴィンはテレビに映るディーヴァに、感謝をこめて微笑みかけた。



初めて書きましたが、歌詞って考えるの難しいですね……。どうか歌詞の出来栄えについては、華麗なるスルーをお願いします……w

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