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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

現代世界の恋愛

彼氏が弟にとられそうです

作者: ほろにが

ぷって笑って貰えればうれしいです。

小学5年生の時、お母さんが再婚した

私が生まれてすぐお父さんが亡くなってから、女手一つで育ててくれたお母さんが私に嫌だったら再婚しないと言ってくれたけど、私はお母さんが大好きだったのでお母さんが幸せになるのならいいよっと言った

再婚相手はとても優しく良い人で海外で会社を経営している社長さんだった

それに、ちょっと暗い小学3年生の息子

ボロアパートから高級マンションに引っ越して4人で暮し始めた

年の近い義姉弟なんて、そんなに仲良くなる訳がないと思ってお互い牽制し合っていたが・・・


「・・・伝説の笛がどこにあるかわからん・・・」

私は無駄に広いリビングのソファの上で体育座りをしてパパに買ってもらったばかりの3DS画面を睨みつけゲームに行き詰まっていた

ゲーム中で何度も同じ所を行ったり来たり・・・

お母さんに聞こうかと思ったけど、今はパパと買い物に出掛けている

「・・・その町じゃないよ」

不貞腐れていた私の後から義弟の小さな声が聞こえた

「え!ここにないの?じゃドコの町?」

「ひとつ前の所、わかりにくい所だから・・・」

「えーー!せっかくこの町まで来たのにー」

「・・・貸して、やってあげる」

この日から大人しいというか暗い印象の義弟は私のゲームの救世主となった



あれから10年後

「フンフン、フンフーン♪」

ご機嫌に鼻歌を歌いながら私こと田中シオン21歳は自分の部屋を片付けていた

タンボールを2つ準備をして、今まで集めに集めたオタクグッツの数々に感謝の気持ちを込めて片付ける

ああー乙女ゲーの王子様たち!今までありがとう!

私は卒業しますー皆さん愛してますぅ〜

お気に入りの王子様炊き枕をギュッと抱きして悶えていた

「姉ちゃんキモ・・・」

開けっ放しにしていたドアから義弟の勇希(ゆうき)が引き気味で私を眺めている

身長は私と同じぐらいの細身の体に黒く長く鬱陶しいほど前髪を伸ばし、顔の半分は隠れているが私を見てバカにした表情をしている事はわかる

ふ、しかし今の私は何を言われても怒る気がしない

超、スーパーウルトラ機嫌がいいのだ

「勇希、私は彼らから卒業するのよ。もうキモイ姉ちゃんなんて言わせないわ!」

私は軽く抱き枕に口づけをして段ボールに詰め込む

勇希は首を少し傾げているので、私は彼の前に自慢げに仁王立ちをして

「私、彼氏が出来たの!すごいでしょ!!」

満面の笑みで自慢した

去年、友達の紹介で出会った彼

ずっとグループ交際をして、気になる存在だった彼

昨日、突然告白してきた彼!

生まれて初めて彼氏が出来たのだ!!

これが喜ばずにいられるか?私には無理!

うひょひょひょ言ってニヤケまくっている私とは正反対に勇希は顔を曇らせ「あっそ」と言って隣の自分の部屋に戻って行った

なんだーお姉ちゃんに彼氏が出来て悔しいのかぁ?

優越感に浸りながら部屋の片づけに戻った

私は単純な人間である

彼氏が出来て一番に思った事

あ、部屋片づけなきゃ

彼氏=部屋に遊びに来る=オタグッツ等々見られちゃ✖

お気に入りの乙女ゲ―の王子様グッツはもちろん、本棚にはキラキラな少女漫画からBL、グロ漫画、アニメDVDやドラマCDとゲームソフトが所狭しと詰め込まれている

正直21歳のリア充女子の部屋ではない

それら証拠品?を隠蔽しようと本日自分の部屋を大掃除している

両親は今海外で暮らしており、マンションに勇希とふたり暮らし中

私は社会人一年生、中小企業でOLをしていて勇希は大学一年生

ゲームをきっかけに勇希とは仲良くなり、たまに喧嘩もしたが姉弟にしては良好な関係だと私は思っている

「あーこのBLの本、手放したくないなーもう一個段ボール持ってきて押入れに隠して置こうかなー」

愛着のある本をパラパラと見だすと掃除の手が止まる

おっといけない!彼のために頑張るのだ!っと自分を奮い立たせ、せっせと掃除を進めた


週末、彼氏と初デートの朝

昨日は興奮しすぎて夜寝るのが遅くなった私はスズメのちゅんちゅんという鳴き声と遠くから聞こえる近くのスーパーのオープニングソングで目が覚めた

スーパーのオープニングソング!?

がばっと布団から起き上がり時計とみるとAM10時・・・・・

彼とデート待ち合わせ時間だ

「なんで!!!目覚まし鳴ってないよ!?」

ヤバい、急いで準備しなきゃっと焦って布団から転げ落ちる

あわわわ、準備の前に彼に連絡入れなきゃ!!!

自分のスマホを探すが見つからない・・・・いつもはベットの横に置いてるのにぃ!?

焦り慌ててドタバタしているとリビングから勇希ののんびりした声が聞こえてきた

「姉ちゃん、朝ごはん食べる?」

「いらない!!そんな時間ない!」

ドア越しに聞こえる声に私は思わず怒鳴ってしまった

と、とにかく急いで準備して待ち合わせ場所に行ってみるしかない!

超高速で準備をし部屋から飛び出し出かけようとすると朝ごはんをのんびり食べていた勇希から呼び止められた

「スマホ、忘れてるよ」

そういうとひょいっとスマホを私に投げてきた

慌ててキャッチして「どこにあったの!?」と靴を履きながら勇希に聞くと

「カウンターにあったよ」

っとそっけなく返事をしてテレビを見出した

くーそんな所に置き忘れてたのか・・・・・急いで玄関の扉をあけてスマホで彼にラインを送りながら待ち合わせ場所に向かった

待ち合わせた公園の駐車場に一台の青いインプレッサが駐車されており、その車内で彼は待っていてくれた

はい、一時間遅刻です・・・・

「ごめんなさい!!寝坊しちゃって・・・・・」

初デートで寝坊って・・・・情けない・・・・

そんな私に彼、大黒悠斗(おおぐろはると)は優しく微笑みかける

悠斗はわたしよりも4つ年上の社会人で友達の友達だった

たしか、雑誌編集の仕事をしているとかなんとか・・・・優しく甘いマスクで周りを和ませてくれる大人な悠斗に私はいつも癒されて気になっていた

先日、突然逢いたいっと言われ告白された時マジで夢かと思ったぐらいだ

「別にいいよ、乗って。ぷっ、寝癖ついてる」

私は赤面しながら彼の車の助手席に乗り込み髪を手で整えた

まぁ、寝癖これぐらいじゃ直らないけどね・・・・

それから初デートはそれはもぅ楽しくって楽しくって

あっという間に時間が過ぎて夜マンション前まで送ってもらった

あぁー別れたくないぃーっと思いつつ車を降りようとすると悠斗はそっと頬にキスして

「今日は楽しかったね。また、連絡する」

もう私はメロメロですぅ~

ずっとニヤニヤしながら家に帰るとそんな私を見て勇希は一言、おかえりではなく

「キモ・・・・」

目を細め貶した目で見ていた

「ちょっとぉー第一声それはないんじゃない?」

幸せオーラ全開の私はニヤケながら勇希を責めると勇希は視線をスマホに戻し両手を使って尋常なスピードでタップしだした

「今、エリアイベボス戦でリーダーアシしてるから相手してられない」

うむ・・・・よく解らないが忙しいと言ってるようだ

「PTヒューカスいから点稼げなくて首位ランク落ちそうで・・・・」

ふむ・・・・よく解らないが大変なのだろう・・・・

黒く鬱陶しい前髪で勇希の表情はよくわかないが必死な状態なのは・・・・なんとなく解り私は悠斗がお土産に買ってくれたロールケーキをお皿に乗せてコーヒーを準備して勇希の前のテーブルにおいて、自分の分のロールケーキを食べながらテレビを見ることにした

「ぐぁ・・・マジありえねー」

突然悲痛な声が聞こえ私は目を細め勇希を見ると項垂れていた

ほう・・・・ダメだったのね・・・・

私の知っている限り、弟勇希は根暗でゲームオタクだけどいい奴だ

時々優しいし、時々気が利くし

ビジュアルは真っ黒な鬱陶しく長い髪で顔をいつも隠し、恰好もトレーナージャージが基本

これが私にとって空気みたいな弟だ

「このロールケーキ美味しいよぉー彼が買ってくれたの」

もぎゅもぎゅとケーキを食べながら勇希を元気づけようと食べるようにすすめると勇希はスマホをテーブルに置いてロールケーキを手に取りガブリとかぶりついた

「・・・・あっま・・・・俺苦手」

見事に歯形がついたロールケーキをお皿に戻し私の方に押し出す

「えー美味しいのに・・・・私食べちゃうぉ?」

「・・・・いいよ」

そういうと私が準備していたコーヒーを飲み出す

私は自分の分のロールケーキをペロリとたいらげ、勇希の食べ残しのロールケーキも食べ出した

その様子を黙って見ていた勇希だったがぼそりと一言

「・・・・・太るよ」

「うるさい!」


悠斗さんと付き合い出して一か月

何度目かのデートの時、悠斗さんが弟に会ってみたいと言い出した

「しおん、いつも弟の話するよね。会ってみたいな」

私は遠まわしに私の部屋に行ってみたいっと言われた気がしてドキドキした

そんな、彼氏が私の部屋に・・・うふふ

そんなシチュエーションを妄想し憧れていたが現実に!


「と、言うわけで今度の土曜日彼がうちに来るの」

「・・・・で?」

私が作ったハヤシライスを夜ご飯にふたりで食べていた時、勇希に相談した

姉の彼氏が家に来るのは弟は嫌がるものよーっと先輩が教えてくれたので一応・・・・

「勇希にも逢いたいって・・・・ダメかな?」

なんとなく拒絶されるような気がして私は身構えたが予想外の返事が返ってきた

「いいよ。俺も逢ってみたかったし」

おお!パクパクとハヤシライスを食べている勇希に私は笑顔で喜んだ

もしも、悠斗さんと結婚したら兄弟になるんだもんねー友好的なのは好ましい


土曜日、手土産を持って悠斗さんが家にやってきた

今日の私の王子さまは爽やかな空色のジャケットに白Tシャツとデニムのパンツ姿で大人な雰囲気です

「お邪魔します」

にこりと微笑む悠斗さんが素敵過ぎてもう溶けそうです

私はどうぞどうぞと家の中に案内するとリビングでソファに座ってテレビを見ていた勇希がこちらに振り返る

すると目を見開き固まった

ん?私の彼氏が予想外にイケメンすぎて驚いたのか?

「・・・・・勇希くん・・・・」

ん?

悠斗さんを見ると彼も驚いた表情を浮かべ、一瞬顔を歪めた

んん?

「あのーもしかして二人知り合い?」

私の声で悠斗さんはハッと私を見て微笑む

「あ、ちょっとしたね。そうか同じ田中だよね、まさか姉弟だったなんてビックリだよ」

どこか作り笑いのように思えたがあまり気にしなかった

今だ固まったままの勇希に私は挨拶するように促す

「ほら、勇希。挨拶は?」

「・・・・・こんにちは」

まぁ確かに挨拶だが・・・・・

「ふたりとも知り合いみたいだから名前はいいかな?コレが私の弟の勇希です!こちら大黒悠斗さんです」

私は彼氏がうちに来てくれた事で浮かれていた

「さ、悠斗さん私の部屋はこっち」

憧れの彼氏が部屋に来るシチュエーション

反応の悪い弟を置いて、悠斗さんの腕を引っ張って自分の部屋に案内した

以前とは違い、オタクグッツが一つもない今時リアル女子の部屋に仕上げていたので堂々と紹介出来る

「可愛い部屋だね」

悠斗さんを部屋の座椅子に座らせて小さなテーブルを置いた

「ちょっと待っててね!飲み物持ってくる」

「うん」

ウキウキしながらキッチンに向かいコーヒーとお茶菓子を準備していると勇希はまだリビングのソファーに座り浮かない表情を浮かべている

私はついでに勇希の分のコーヒーとお茶菓子を準備してリビングのテーブルの上に置いた

「どうかしたの?」

首を傾げる私を見て勇希は視線を逸らす

「別に」

「あっそ」

勇希ももう19歳だ、悩みの一つや二つあるに決まっている

深く聞いての欲しくない事だってあるだろうし

私はあっさり引き下がり、コーヒーとお茶菓子を持って悠斗さんが待っている自分の部屋へ戻った

ふたりで楽しく会話してアルバムをみたり、興味がある文庫本の話をしたりして時間が過ぎて行った

途中、私の手をそっと握ってくる悠斗さんに私はドキドキしっぱなしだった

けして強引に攻めて来るわけでなく、少しずつ距離を縮めてくれる悠斗さんはとても紳士だ

トントンっと扉をノックする音がして勇希の声が聞こえた

「・・・姉ちゃん宛ての書留が下に来てるって」

「え!そうなの?わかった、すぐ行く。悠斗さんちょっと行ってきます」

私は印鑑を持ってマンション下のエントランスに向かうと郵便屋さんが待っており書留に印鑑を押して郵便物をもらい部屋に戻るといるはずの悠斗さんがいなかった

勇希も見当たらない・・・・・

リビング私の部屋にいないとなると・・・・勇希の部屋?

「悠斗さん?」

勇希の部屋のドアを開け中を覗くと勇希のベットの上で悠斗さんが壁際に追いやられ勇希が迫っている図が目に飛び込む

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

顔を赤く染め目を泳がせて俯く悠斗さんに私は顔が引き攣らせて勇希の服の首の部分を思いっきり引っ張り悠斗さんから放す

「痛った!なにすんだよ!」

「それはこっちのセリフよ!悠斗さんになにしてんの!!」

私はぺシンっと勇希のおでこを叩いた

姉の彼氏を襲うなんて・・・・・なんて奴だ!

私は顔を真っ赤にして怒りで震えていた

勇希がそんな趣味だったことも知らなかったけど・・・・・

「し、しおん。誤解だよ、そんなんじゃない」

「え?」

悠斗さんは苦笑いを浮かべ

「ちょっと話をしてたら俺が大勢を崩して弟くんが心配していた所だったんだよ」

いやだなーっという感じで説明する悠斗さんにまた少し違和感を感じた

でも、悠斗さんがそういうなら・・・・と私は口を尖らせ勇希に小さな声で誤った

そのあと、三人で外食しようとしたけど勇希は遠慮するっと言って着いて来ないでふたりで食事をした後、悠斗さんは帰って行った

私が家に帰ると勇希は部屋に籠っていた

「・・・・・勇希ー」

何か話をしようとドアの前で声を掛けるが返事がない

トントンっとノックしても反応がない

さっきので疑って怒らせたのかなっと心配になった私はそっとドアを開けると薄暗い部屋の中PCの画面が光って画像を映している

その前にヘッドフォンを耳に付けてジッと画面を食い入るように見つめている勇希

あーヘッドフォンで声が聞こえなかったのかっとすぐにわかったがそのPCの画面にギョッとした

いわゆる、そのーエロゲーっという分野だろう

可愛い二次元の女の子のあられもない姿が・・・・・

弟よ・・・・・興味を持つなら三次元の姿の方がいいと思うが。

とてつもなく話しかけずらいのでそのまま黙って扉を閉めようとしたが不意に勇希が振り返ってしまった

「なっ/////勝手にドア開けるなよ!!!」

ヘッドフォンを外し焦ってPCの電源を切った勇希だったが、私は目を細めブチギリしたPCの心配をしてしまった

ちゃんとバックアップとってるのだろうか・・・・

アレを見る限り男に興味がなさそうで少しホッとした

「声かけたしノックもしたよぉーお邪魔してすみませんねぇーはいはい。おやすみー」

「くっ・・・・////」

まぁ、正常な成人男性の証拠だなっと弟の成長を喜び薄ら笑いを浮かべながら私は自分の部屋に戻って行った


ある日の金曜日の夜、悠斗さんが仕事後の食事に誘ってくれた

「美味しい居酒屋教えてもらったから一緒に飲みに行こう」

おお、これが噂の居酒屋デート

私は勇希に夜ご飯いらないメールを送って軽くスキップしながら悠斗さんとの待ち合わせ場所に向かった

「しおん、こっち」

駅前で待っていた悠斗さんは今日はスーツ姿で笑顔で手を振る

私達は手をつなぎ、美味しいという居酒屋に向かい美味しいお酒とおつまみを楽しんだ

「しおんは相変わらずお酒に弱いな」

「違いますよぉー悠斗さんが強すぎなんですぅ」

私は地ビール1杯とフィズ2杯でハイテンションになっていた

頬を赤く染め、目は少し虚ろになり、へらっと笑っていた

「あとでタクシーで送ってあげるからね」

「えーもうですか??もっと悠斗さんと居たいですぅ」

そんな恥ずかしいセリフもすらりと言えるぐらい酔っていたのだ

悠斗さんはテレ笑いを浮かべ私の頭を撫でた

「ダメだよ、しおん。君の可愛い弟に怒られてしまう・・・」

なんでここで勇希が出てくるのだろう?私は首を傾げると悠斗さんの胸に顔を押し当て・・・・眠ってしまった

「こまったなぁー」

最後に遠くで悠斗さんの声が聞こえた


私は夢を見た

それはそれは恐ろしい・・・・

勇希と悠斗さんの濡れ場の夢である

詳しく思い出したくないのでカットする

目を覚ますと自分の部屋のベットだった

昨日あれからどうなったのだろう・・・・服はちゃんと昨日のまま

悠斗さんが家まで送ってくれたのか?

ぼーっとする頭をはっきりさせようと少し振って喉が渇いたのでキッチンに水を飲みに行く

勇希はまだ寝ているのかな?

そっと扉を開けて姿だけ確認しようと覗き込むと

勇希のベットに二つの影・・・・・

しぱらく脳みそがフリーズして動けなかった

なんで勇希のベットに悠斗さんと勇希が寝てるの!?

だらだらと変な汗が溢れ出し持っているドアノブがじっとり湿っていくのがわかる

どうしよう・・・・どうしようどうしよう

ドアをゆっくり閉め、頭を両手で抱えてしゃがみこんだ

あのふたりはそういう関係なの!?

二人がここであった時も様子がおかしかったし、勇希が悠斗さんを襲ってたし、悠斗さんは優しいから断りきれなくて・・・・あああああああ

「つまり・・・・BL」

ドカンっと扉が開き勇希が私を見下ろす

「違うし!!!」

私は小さく震え涙目になってしりもちをついて転がった

運動神経がよければ見事に後ろ回りできただろうが私には無理だった

ぼさぼさ前髪でよく見えないが顔を赤くし多少息が上がって私を怒っているらしい勇希の後ろからのそりっと悠斗さんも現れる

少し着崩されたYシャツがちょっとエロっぽいです

「おはよう、しおん。よく寝れた?」

ええ、変な夢を見ましたがよく寝れました

「あ、あの・・・・・」

私はモジモジして悠斗さんを見上げると悠斗さんは勇希の頭の上にポンっと手を乗せ笑顔で勇希に言った

「勇希くん、これ以上隠しきれないよ?」

「-っわかってるよ。姉ちゃん、この人俺のバイトの上司」

へ?

私が間抜けな顔をしていると悠斗さんは私に手を差し伸べ私はそれを掴むと立ち上がらせてくれた

「実は今乙女ゲーム雑誌の編集をしていてね、勇希くんにはリポーターを頼んでいるんだよ。どんなシチュエーションがいいとか、色々な意見を言ってもらって記事にする仕事。でも勇希くんしおんにその事がバレるのが恥ずかしくって内緒にしてたんだよ」

私の手を握ったまま離さず説明してくれている悠斗さんの横で顔を極端に背けて遠くを見ている勇希がいた

私は勇希がバイトしている事も知らなかった

大学と家でゲームばっかりしているとばかり思っていたのに・・・・私の弟も成長したなーっと勝手にしみじみ思っていた

「で、昨日の晩、姉ちゃんを送ってきてくれた大黒さんに仕事の話をしてそのまま俺の部屋で寝た訳!姉ちゃんが思っているような関係じゃない!キモイ!!」

「そ、そっか・・・・・」

ホッとしたのは事実である

事実であるが、どこかものすごーーーーく遠くで残念がっている自分がいる事に気が付かないでおこう

そんな私の心を読んだように勇希は顔を引き攣らせ私の部屋に入って行った

なんで私の部屋に入って行ったのか一瞬わからなかったが私の部屋から出てきた勇希の手には私の愛読書がたっぷり入った段ボール箱だと気が付くが時すでに遅し

思いっきり豪快にひっくり返し数々の刺激の強い本がばら撒かれる

ひえええええええええーーーーーーー

ムンクの叫びが木霊す

勇希はしてやったりとニヤリと笑い

「姉ちゃんの趣味を大黒さんにちゃんとわかって貰った方がいいと思うよ?」

悠斗さんは握っていた私の手を離しその本たちを凝視している

ああ、終わった・・・・私の初彼氏・・・・

きっと軽蔑されるにきまってる、自分の彼女がコレだったらシンドイよね、うん

しかし、何冊か手に取りパラパラめくり、また手にとりパラパラめくっている悠斗さんはゆっくり私の方を振り向き

「このくらいだったら可愛いものですよ。俺も嫌いじゃないし、もっとすごい事・・・・・おほん」

咳払いして、妖艶に微笑む悠斗さんに私と勇希は氷ついた・・・・・

そ、そうだよね・・・・乙女ゲー雑誌編集している人だもんね・・・・

あまり深く考えないようにしていたが、自然と私と勇希は一歩引いていた


私の弟はライバルではなく、お互い獣に狙われる小鹿の気分を味わう同士となった


〜この続きはまた今度〜

読んで頂きありがとうございます。

車の運転中に思い付いた話をさくっと投稿。じつは肉食系の彼氏悠斗をもっと前面に出せれば文句ないのですが・・・・・や、やめておきます。

義弟が姉に恋心をってパターンも考えたのですが短編では無理ですよね・・・・機会があれば続きを書きたいです!

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