seventy and one
一度など、置き手紙をしていったっけ。兄貴が女を作る前のこと、兄貴と自分とにあてて、「母さんを頼む」と書いてあった。
そのうち戻って来はしまいか。なんか予感がする。ある日、仕事を終えて帰宅したら、「やあ。暫く」なんて惚けた挨拶をするオジサマ。晩酌しながらそんな挨拶をするオジサマが座っていはしまいか。近ごろ、よく想像する。
もし本当になったら、どうしよう。いわば赤の他人と同居するようだ。写真でしか顔を知らない。若い顔しか写っていない。声も知らない。どこぞのオジサマがやあ暫くと、その晩から「お父さん」になって一つ屋根の下で生活し始める。いやだなあ。そうなったら私が出て行く。おばあちゃんの介護が心残りだけど、そうなった日には私が出て行く。自立する貯金もないから、いよいよ水辺へ引っ越す時だ。ヤスダ君がいる。ヤスダ君なら守ってくれる。お母さんたちがしてくれたがるであろう援助も断って、テントか何かで暮らそう。夕方ヤスダ君が差し出す発泡酒でプシュ。オジサマがうちで晩酌なら私は川の流れを眺めながらヤスダ君と乾杯。。。
。。。ひょっとしたら腹違いのきょうだいがいるかもしれない .........




