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その場で辞表を書かせ、口外無用の約束で希望退職させたのは良いとして、さてケアマネがいないとなると、『シオン中野』でも困った。昔からシオンの内情を知り、かつケアマネの資格を持つ井澤に、ピンチヒッターの要請があったわけである。なんと、『楽園』の一階『シャローム組』にいる、あの秋城おばさんが、井澤の後釜にすわるのだという。秋城も介護支援専門員 ─ つまりケアマネのできる資格者だった。もっとも、秋城は差し当たりケアマネをやるのみの、ホーム長には『シャローム組』の男性主任である西山さんが昇格することまでが、ここ三日四日でバタバタ決まった話。それにつけて、
「里山さんの面倒は最後まで私が見ますって、マヨちゃんが入る時に先生にはそう言ったんだよ?だから今度のことでも里山さんは私が一緒に連れて行きますって、先生には言ってあるの」




