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forty and four
必ずしも論理的に腹を立てたのではあるまいけれども、クリスマスの日には久しぶりにイカった。
ヤスダ君がイカると手を焼くのは、チンピラの地金が丸出しになる。ふだん信者さんが「アーメン」など囁く、十字架を頂いた上品なお堂。クリスマスを感謝しようとしている清きかの夜、声をあらげて、
「25日は友達たくさん連れて来いって言ったじゃねえか!言ったのはテメエらじゃねえか!」
と始まったものだから、一斉にしらけてしまい、公園のおじさんも含めて皆ぞろぞろ帰りだした。
慌てた牧師様と恵美子さんが彼を別室へ招き、その日の当番が終わって遅れてやって来た母親 ─ ヤスダ君の母親も特別養護老人ホームに勤めているのだが ─ 三人でなだめている間、マヨはサイゼリヤで待ちぼうけをくっていたわけである。
ほんとうは、ヤスダ君の予定では、サイゼリヤへ迎えに行くつもりでいた。そうして、マヨと公園のおじさんと、三人でクリスマス会に出たかった。




