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seventeen
如何にもごもっともな待遇だったというのは、顔は仕方のないこととして、きゃつの仕草がいちいちいけない。斜に構えてアゴを突き出し睨んだ様子は、何のことはない、伊丹十三映画のチンピラ役に扮した不破氏そのものと言ってよかろう。全体どこでそんな芸を覚えたのかと、いぶかしまないではいられぬ。
「マジっすかー!ユキエさんのトイレ介助っすかー。俺ウンコ付けられんの嫌っすよー。ユキエさんにウンコ付けられたら先輩に責任とってもらっていいっすかー」といった言葉づかいが、すでに二年目となったこんにちでも直せないでいる。
本人にしてみれば冗談めかすつもりが、その「っすか」「っすよ」口調と、人相の悪さと、伸びたひげがダラシない等のために、冗談が冗談の効能を持たないのだろう。