13/72
thirteen
なぜまたこれが気の毒かなら、もしも仮に体重を半分に出来たその日には、きっと美人の仲間に入れられるであろう、生まれもった器量をマヨは備えているからで。
肌が抜けるように白い。実に惜しい逸材といっていいのだ。
証拠に、去年のホワイトデーあたりだったか、ある朝、電車を降りる時に、秋城という、一階で働く自称無キズのおばさん職員に声を掛けられて、グループホームまで歩いたことがあった。(無キズとは、結婚の経験がない事を指すらしい。)
横断歩道の信号を待つあいだ、ぎゅっと二の腕を掴みざま、マヨちゃん絶対モテると思うよ、頑張って痩せてごらん、と、もみもみされたので顔をしかめた。だからあながち筆者一人の贔屓目ではないと考えたい。