言の葉（詩集）

流木

波にのまれて

何回も何回も

うちあげられる

疲れたと

面倒になって

全て投げ出す

それでまた

波にのまれて

何回も何回も

うちあげられる

疲れたと

投げ出してしまう

全て終わったと

その度に思っても

長い長い時をかけて

波にのまれて

深い深い闇に沈んでいく

もう光が射すことはない

そう思って目を瞑る

だけどその度

荒々しい

波にのまれる

終わったと思ったのに

何回も何回も何回も

思ったのに

何回も波にのまれて

何回も光を浴びる

だけど

波がなくなることはない

激しくなったり

凪のように

ゆるやかになったり

波の流れが変わるだけ

そうやって全ては形を成していく

大きかったり小さかったり

様々な姿だけれど

静かな浜辺に

流れついた流木のように

それぞれに彩（いろ）がある