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移ろい
風のように
ふわりとふわりと
僕の手をすり抜けていく
君の透き通るような
真っ白いモノを
ふとしたときに思い出す
自分の中にある
真っ暗闇のような
どす黒いモノ
君に触れていると
黒いものが
白くなっていくようで
気付くと求めていた
僕の黒が白になったら
君の白が黒になっていて
また僕が黒になったら
また君が白になっていて
それを何回も繰り返して
ずっとずっと
何回も繰り返していけると
思っていた
ふわりふわりと
風のように
僕の手をすり抜けていく
また思い出す
君の白いモノを




