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自由王子の愉快(?)な冒険記  作者: シャオシン
第一章「家出?いいえ、城出です。」
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第二話「お供を探そうか」

一話に続いて短いです。ごめんなさい。

二人を追い払ったルーファスは、心の中で密かにこう思う。


(やっぱ貴族凹ますの楽しいなー!)


どうやら彼はかなり歪んでいるらしい。


(あー、さっきの女の顔とか本当に面白かったなー。プライドズタズタって感じのあの顔……)


ルーファスがそこまで考えた所で、後ろから衝撃とともに声が掛かる。


「まーた悪い顔になってんぞ?」


ルーファスが振り向くとそこには兄のサディクと、自分にもたれかかるようにしているオリエスの姿があった。


「兄さん達……どうしたの?」


ルーファスが問いかけると、サディクが静かな声で


「ルーファス、話がある。」


と、そこでルーファスが感じ取る。兄サディクから発せられる、今まで幾度となく感じたことのある気配。静かな怒気。


つまり、怒っている。それも凄く。


心当たりが多すぎてどれだか分からないが、確かに怒っている。


それは今朝、靴の中にカエルを仕込んだことかもしれないし、昨日ポケットの中に大量の飴を入れておいたことかもしれない。


本当はさっきの振る舞いのせいなのだが、本人はあれを悪いことだと思っていない。


そして、それを理解したルーファスが取る方法はただ一つ。


「あっ、おい!ルー!」


脱兎の如く逃げるのみ!


「待て!ルーファス!」


後ろから兄達の制止がかかるが気にしない。そして


「待てって言われて待つバカは居ないよーー!」


ちょっとおちょくることも忘れない。


そのまま扉へ向けて全力疾走し、姿を消してしまうルーファス。


「あー、また逃げられた……。」


「………オリエス、しっかり捕まえておけと言っただろう……。」


サディクが眉間を押さえつつオリエスを非難する。


一方オリエスは悪びれる様子もなく、


「やー、だってちょっと力抜いた隙に逃げられるなんて思わなかったしー。」


「はぁ………。」


そんな二人とルーファスのやり取りを見ていた周囲の反応は、実に様々で、ルーファス殿は活発ですなと寛容な者も居れば、王子としての品性に欠けると非難する者も居る。


そんな周りの反応を見つつ、眉間にシワを寄せるサディク。


「全く、ルーファスはいつもいつも……」


いつになったら王子としての自覚が付くのかと続けようとした所に、オリエスが割って入って、


「とか言って、本当はルーがここを抜け出す口実を作ってやったんだろ?」


オリエスに魂胆を見抜かれ押し黙ってしまうサディク。


「ま、分からないでもないな。ここはルーには似合わなすぎる。」


そこまで言った所で一旦言葉を切り、そして


「しかし、兄上もルーには甘いな。いつここを出て行くか気が気でないんだろ?」


オリエスの問いかけに、サディクは目を閉じ静かに


「分かっているのなら聞くな。」


とだけ返した。








「あー、疲れた……。」


全力疾走なんてかなり久しぶりにしたなぁ……なんて考えつつ自分の部屋へ戻る。


「さて、そろそろ真面目に出ていこっかなぁ………。」


兄の思いなど知る由もなく本気で城を出ることを考えていたルーファスは、はたとあることに気づく。


(一人で出ていってもなんだか直ぐに捕まりそうな気がする……。)


そして思いついたのが「そうだ、お供を連れて行こう。」


かくして、王子のお供探し(誘われたら強制参加)が始まろうとしていた。


と言ってもまぁ、心当たりは数人しか居ないのだか……。









〜次の日〜


「王子、起きてください。王子。」


「……………んー………スヤァ……。」


「王子!」


強引に布団を剥ぎ取られ、少し不機嫌になりつつルーファスが目を開けると、執事のレイスが今しがたルーファスから剥ぎ取ったばかりの布団を抱え、嘆息していた。


「あー……おはようレイ……。」


「おはようじゃないですよ…。今何時だと思ってるんですか?10時ですよ!10時!!」


語気を荒くするレイスに


「え、10時?なんだ、後2時間くらい寝れるじゃん。」


そう言って布団をかぶり直そうとするが、それを見越したレイスが


「はいそこで二度寝しない!」


無慈悲に布団を剥ぎ取っていく。


そんなレイスにぶーぶー言いつつも着替えるルーファス。いつもの朝の風景だった。



着替え終わったルーファスが、レイスに声をかける。


「なぁ、レイ。」


「なんですか?」


「お前ってさぁ、俺の専属執事だよな?」

「そうですね。」


眈々と答えるレイス。


「じゃあさ、俺の命令だったら何でも聞くよな?」


「……………まぁ、そんなに無茶なことでなければ聞きますが。」


「え、ちょ、何今の間。っていうかそんなに露骨に嫌そうな顔しないでよ。」


「そんな、嫌そうな顔なんてメッソウモナイ。」


「おーい、目を逸らすな目を、あと最後カタコトになってるから。」


「チッ………で、それがどうかしたんですか?」


「(舌打ちされた……。)俺さ、近いうちに城出るから、そん時お前も着いてこいよ。」



「………拒否権は?」


「無いよ。」


「はぁ………。」




お供、一人目ゲット。




















普通執事じゃなくてメイドが起こしに来るのが王道だと思いますが、女の子かけなi…ゲフンゲフン…執事を仲間に入れたかったのでこうしました。


誤字、脱字などありましたらコメントにてご指摘してくださるとありがたいです。

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