表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第四話「サヨナラの色」(前)
80/277

80/制限

 大紋白蝶のごとき生物群体は、他の生物によっても作られ、場に複数現れていた。現在確認される範囲で、大蜂が三匹、大鴉が四匹である。


 そんな大蜂の一匹に、陸奥は刀身を向ける。


「副砲の一」


 陸奥の身体から何らかのエネルギーが伝わり、刀の先の一点に収束していく。刀の前方に現れたのは赤色の球体で、大きさはちょうどサッカーボールくらい。


「発射っ」


 陸奥は顕現した球体に向かって踏み込むと、そのまま突きを放った。赤い発光する球体は、陸奥の突きの速度をまとったまま、弾丸のごとく大蜂に向かっていく。


 群体である大蜂に衝突するや否や球体は轟音と共に弾け、赤い電光を飛散させる。光はそのまま大蜂を形成していた数百匹の蜂を焼き切り、文字通り灰にしてしまう。


「ふむ」


 生物群体の一つを消滅させたにも関わらず、陸奥は悪い予感を感じ始めていた。


「副砲の二と三」


 続けて球体を発生させるが、強い光を携えた球体が生成される度に、心なしか陸奥本体の存在は薄くなったような感覚を覚える。


 元々、陸奥に供給されている現界のためのオントロジカをセーブするために、今回の局面で主砲は使えないと踏んでいた。


 だがどうだろう。副砲により大蜂の群体を一つ消滅させたが、空中には今だ無数の蜂が、蝶が、鴉が飛散しており、こうしている間にも再び群体を作り始めている。


 戦艦陸奥に搭載されていた副砲の数は二十。どうやら、その数の副砲を発射した時点で、自身の現界時間は切れるであろうことを陸奥は感じ取っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ