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非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第一話「思いがけない助力」
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6/外国人講師

 少し意識が過去に飛んでいた間に、政治経済の授業は終盤にさしかかり、主要な本日の内容は伝え終えた講師が、雑談をしている所だった。


 雑談の内容は、この国には未来がない、というような話だった。一学期の途中から見かけるようになった、確か一時的な契約で来ている外国人の男性講師だ。名前は確か、インヘルベリア先生。身内びいきが無いせいか、手厳しい。このままでは国の財政が破綻するというような話や、災害のリスクの話などをしている。


 自分達が住んでいる国をマイナスに評価されている訳だから、怒って良い場面なのかもしれない。しかしジョーも、おそらくは他の生徒も、そんな心のパワーはなかった。


 インヘルベリア先生自体は、生徒に人気がある。長身で整った顔立ちをしているし、適度に乱れた金色の髪はワイルドさを感じさせる。そして口から出てくる、知的でしっかりと考え抜かれている言葉。日本語も流暢(りゅうちょう)だ。


 特に女生徒と、男子生徒の中でも頭が良いような生徒から人気がある。ジョーも嫌っているというほどではない。授業は分かりやすかったし、雑談の内容もたぶん正論なんだと理解している。ただどこか、強い立場の人間が弱い立場の人間に影響を与えたくてしょうがないような。強い願望で動いてる人、というような印象も受けていた。それが良いとか悪いとかではない。ただ嫌うほどでもないが、ジョーにとっては好くほどでもない存在だった。

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