表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第二話「ジョーとアスミと志麻」
PR
24/277

24/機械の鳥

 早朝、志麻は国道沿いの「山」の上に位置する自宅の庭に降り立った。


 夜通し「宮澤ジョー」に関してネットで検索していたので、表情には疲れが見える。パジャマ姿のままで、髪も乱れている。それでいて目だけは殺気をまとってギラつかせている様子で、これは通常、よそ行きには見せない姿であった。


 肝心の宮澤ジョーであるが、とりあえず中学時代に柔道で全国大会に出たことがある経歴であることは分かった。ただし、一晩かけても分かったのはそれくらい。顔写真もネットでは拾えなかった。あまり、ネットは使わないタイプの男なのか? 基本的に仲間同士での秘匿の会話が中心のリンクドゥにもあたってみたが、やってないのか、やっていても実名では使っていないのか、アカウントは見つからなかった。


 全国大会に出場したことがあるという事実には、率直な畏敬の念を覚えた反面、やがてメラメラと自身では制御しがたい気持ちが高ぶってくるのを感じた。志麻自身は、何らかの自身で勝ち取った社会的評価のようなものは持ち合わせていない人間だった。


(でも、スポーツで優秀だからって、「守人」としては役にたたないわ)


 気持ちを静めるように、自分にそう言い聞かせる。


「いずれにせよ、もう少し情報が必要ね」


 さすがに疲れたので、昼まで寝よう。痺れはじめた頭の半分でそう考えながら、右手の人差し指を天に掲げる。すると、屋根の上から、一羽の鳥が舞い降りてきた。


 志麻の指の上にとまった鳥は機械の鳥であった。このロボティクスな鳥の存在は志麻の能力の一部であり、索敵のような任務をこなす。


 志麻は何やら呪文のような言葉を機械鳥に向けてつぶやくと、勢いよく腕を横に振って、鳥を飛び立たせる。


 機械鳥がいずこかへ飛び立ったのを見送ってから、欠伸(あくび)をひとつ。


 この時点での志麻の宮澤ジョーに関する気持ちは、疑念と、くだらない男であればイイという期待が半々くらい。


 やがて気づくことになる、ジョーとアスミと志麻にまつわる「縁」の物語について。今はまだ知るよしもない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ