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非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第十一話「君の名前は」(前編)
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216/277

216/湯船

 銭湯の湯船につかって足を伸ばす。温かい。血の巡りが良くなっていく。


 ジョーはこの緊張でガチガチになっていた体がほぐれていく感覚に覚えがあった。震災の本震から一ヶ月ほど後に、何とか営業を再開したこの銭湯に並び、ようやく湯船に入った時だ。あの時の少しだけホっとした気持ちと、いや、これからだと研ぎ澄まされていく感覚が、今も似ている。


 カウンターに座っていたおじさんに小銭を渡す時に、ちらっと目が合った。二年半前に全力で街の人達に湯を提供し続けた英雄である。また、お世話になった。


 さて。


 思考に余裕が出てくると、自分がコンタクトを取るべき人間の順番が見えてきた。


(まずは志麻。そして、ひぃじーじだな)

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