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非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第九話「サヨナラの音」
193/277

193/一撃

 ジョーの行動のトリガーを引いたのは、恐怖であった。あと一歩接近されたら、間違いなく殺される間合いに入る。そう悟ったために、ただ殺されるよりはましだと、思考ではなく、身体が反応して攻撃に転じたに過ぎない。


 大王の体の中心めがけて踏込み、体重移動により重さを上乗せした、古流柔術の突きを放つ。


 しかし、次の瞬間、ジョーの意識は明滅する。ジョーを迎撃するために大王が繰り出したのは、右の直突きであった。


 本質能力(エッセンテティア)を使うまでもない。ましてや、左のジャブで牽制を入れるまでもない。強者が、弱者に対して、己が標準的に装備する右ストレートを無造作に放っただけ。それだけであったが、大王の一撃はリーチも、重さも、スピードも、ジョーの拳とは次元が違っていた。


 肩口を撃ち抜かれたジョーは、物理法則を無視したように後方に吹き飛ばされ、公園の街灯に激突し、尻を地面につき、痛みすら遅れている衝撃の中、ガクリと頭を垂れた。

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