無

　無。それは無である。完全な無。

　それは何も存在しない無。

　例えば無の空間に存在する自分を想像してみよう。

　その場合重力がない、地面が存在しない不思議な場所ができる。

　が、よく考えてみよう。自分が存在する時点で無の条件に反する。

　では自分はいないことにしてみよう。

　無の空間には誰もいない。何もない。

　そして概念ですらも無。無という言葉は何かがある前提。

　その前提さえもない本当の無。

　いや・・・。このことを考えてはいけないようだ。