ゴブリン対面
『こちらです』
暫く歩いて、ようたくゴブリンという魔物たちがあ住まう場所までやってきた。
「近くで見てもやっぱりよく分からないわね」
二足歩行で歩く緑色の肌をした身長100センチメートルくらいの人型の生物。見た目は明らかに類人猿ではない。
「それで、話が通じるかどうかだけど」
「ギギャ」
当然、私の知っている言語でない。でもそれ自体に問題はない。おおよそ言語と呼べないレベルの意思疎通も出来るのだ。知らなくても言語をしゆしているなら解析して話せる。
「とりあえず行こうか」
「何だ、奇襲せんのか」
「だからまずは話し合いよ」
「ゴブリン共と話し合いが出来ると思えんがな」
それはやってみなきゃ分からないでしょ。何事だってトライから始まるのよ。失敗すると分かっていても最初の一歩を踏み出さなきゃ結果はいつまでも変えられない。
「えーと、どうもー」
両手を上げんながら隠れていた茂みからゆっくりと出てゴブリンたちのもとへ歩いて行く。
この時は敵意などの感情は消しているわ。
「ギギャ」
近づいてくる私に気地板ゴブリンたちが鳴き声のようなものを上げる。何体かのオブリンが向かい合って鳴いているので多分話しているんだと思う。
そのやり取りはしかっりとメギドに解析してもらっているので直ぐに私も話せるようになると思う。
「ギギャ!」
と、そこでゴブリンたちが凶悪そうな顔を歪ませて襲い掛かってくる。
何というか、気持ち悪い顔ね。
「ギギャ?」
ガン、と襲いかかってきたゴブリンたち数体が壁にぶつかったように急停止する。
当然襲われることは想定済みだったので事前に『楽園』を展開していたのよね、壁は無色透明にしていたから築かなかっただろうけど。
「ギギャ!」
見えない壁があることに気付いたゴブリンたちは手に持っていた武器のようなものでガンガンと叩いている。
持っている武器はこん棒やナイフのようなものでどれも粗悪品としか思えないようなものだから私が今着ている特殊繊維の服ならダメージを負うことはないだろうけど、それは当然服の部分だけなので生身の部分を守れない。だから『楽園』を展開していた。
「言語の解析は終わった?」
『はい。簡単なものだったのですでに終わっております』
そろそろ解析が終わったころじゃあないかと通信でメギドに尋ねてみると予想通り終わっていたみたいだった-。
ちなみにメギドとフェンリルには今も茂みに隠れていてもらっている。
「言葉、分かる?」
「何だ、人、我らの言葉、話せる」
私がゴブリン語?で話しかけると驚いた様子を見せるゴブリンたち。
ゴブリン語はメギドが解析したものを私の脳内チップに成功を送ってもらっているのですでに習得した。ぎこちない感じの話し方だけど、これは言語レベルがこの程度しかないのでこれで正常だ。
「私、敵意ない」
「お前、人間」
「そう」
凶悪な顔を向かい合わせているゴブリンたち。
困惑しているみたいね。
「メス人間、捕まえる。楽しむ」
「…」
言われたことに凄い不快感を覚える。
こっちが敵意がないって言ってるのにまさか正面からそんなことを言われるとは思わなかったわ。それに今は私に攻撃も出来ないのに分からないのかしら。
「魔法、解け」
ガンガンと『楽園』の壁を叩いてくるゴブリンたち。『楽園』を魔法と勘違いしている様子。
「話し合い、する」
「話す、ない。魔法、解け」
相手に全然話し合いの気がないわね。なんかすごく不快感を覚える顔でこっちを見てくるし、もう諦めようかしら。
「何だ?」
さっきのクマの魔物同様にまずはゴブリンたちを落ち着かせる。だいぶ気持ちが高揚しているみたいなのでおちつかっせれば話もできるだろう。
そう思ったんだけど
「メス人間、捕まえる」
落ち着いても私のことを見ると直ぐに興奮してくる。
そして相変わらずの気持ち悪い顔ね。
「諦めろ。何を言っているかは分からんが、その様子だと上手くいってないのだろう。そいつらと話し合いなど無理だ」
どうしようかとゴブリンたちを見ていたら茂みからフェンリルが姿を現す。フェンリルを見つけたゴブリンたちはそっちに向かってしまった。
流石に私には攻撃が出来ないと判断して標的を変えたみたい。
「メス獣人、捕まえろ」
「捕まえるって言ってるわよ」
フェンリルには何を言ってるか分からないだろうから教えてあげる。
「我を襲うとは、命知らずだな。まきなよ、もう殺してもいいだろう?」
と言いながら近づいてきた一体のゴブリンを殴ってふきとばした。
あの威力のパンチなら吹っ飛んだゴブリン死んだんじゃないかしら。
「こいつ、強い」
一体が吹き飛ばされたのを見て動揺するゴブリンたち。
あ、今なら行けるかしら。
「話、する」
「メス人間、おもちゃ。話、あり得ない」
何こいつら全く話し合いが出来る気がしないんだけど。あと流石に正面からおもちゃとか言われると話し合いもやめたくなる。
「だから言っただろう。こいつらは女の人間や獣人はその程度にしか見れないのだ」
ゴブリンたちお言っていることをフェンリルに翻訳してあげるとそんな言葉が返ってきた。
警戒しながらもフェンリルのことを見るゴブリンたちの顔は見ているt家の感を抱く。
「これで話し合いが出来ないなら仕方ないわね」
頑張れば出来るだろうけど、これ以上こいつらに付き合っているのも気分が悪くなってきそう。なので話し合いは諦めることにする。