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殴ったり治したり

 捉えたクマと意思疎通を試みることにする。


 「メギド、解析よろしく」

 『はい』

 「何をsる気だ?」 

 「この子と意思疎通出来ないか試してみようと思ってね」


 メギドに頼むと疑問に思ったフェンリルが首を傾げて質問してくる。

 何事もまずは話し合い。そう決めている私はまずはそれが出来ないか試してみる。

 動物とかの場合だと直接話は出来ないけど、脳波や身体から発せられるホルモンなんかで相手の感情は大体分かる。青手の感情に合わせてこちらも行動を起こせば、相手もこちらと意思の疎通ができると分かるはずだ。

 その分析えおメギドに頼んだ。


 「と、その前に」

 「グアァ!」


 改めてクマの方に視線を向ける。

 相変わらずガンガンと『楽園』の内壁を叩いている。

 このままだと感情も図りづらいのでまずは落ち着かせる。

 

 「グア?」


 『楽園』内に心を落ち着かせる音を響かせる。

 『楽園』内はこういうある程度の環境の転嫁を可能としている。

 段々とクマが落ち着いていく。


 「それじゃあ、話をしましょうか」

 「グア?」


 念のために『楽園』は展開したままで話しかける。


 『今の精神状態は安定状態で落ち着いています』

 「一体何をしたんだ?」


 首を傾げるフェンリルへの説明はメギドに任せて私はクマに集中する。


 「そっれで、あなたはどうして私たちに襲い掛かってきたの?」

 「グア?」


 いろいろな方法を使ってクマに私の言いたいことを伝えようとしているけど何故か伝わらない。

 おかしいわね、これで大体の動物とは意思疎通できるのだけど。


 「グアァァ」


 暫くして、クマは眠ってしまった。

 何で眠るのよ。


 『どうやら気持ちを落ち着かせすぎたようです』

 「うーん、それならこのまま寝かせておこうか」


 敵意もなくなったようだしもう気にせず行こう。今はゴブリンたちの所に向かっているところだし。


 「ちょっとだけもたっといて」

 『はい』


 『楽園』を解除して先に進むことにする。

 メギドには血とか毛とかを少しもらっておく。魔物には当然今日にがあるから研究用に少しもらっておく。少しくらいならいよね。


 「殺さないのか?」

 「何でそんなことするの?」

 「それが自然の摂理だからだ」


 フェンリルが不思議そうに効いてくるけど殺す理由がない。もう敵意もないし研究用の素材はもらった。なら放置でいいよね。


 「弱肉強食は世界の摂理だ」


 なんていうけど、私は人間だ。話によって関係を築ける生物。むだな殺しはしない。


 「まぁ、次襲い掛かってきたらそうしたらいいよ」


 とは言っても私は別にそこまで心が広いわけじゃいので何回も襲われたら流石に反撃する。


 「それより先に行こう」

 『やはり変わった人間だな』


 何故か楽しそうに笑うフェンリルだけど、どこかおもしろいところでもあったかしら?

 それと変わったはやめてほしい。


 『採取した素材は研究所に送っておきます』

 「よろしく」


 解析なんかは研究所の方がしっかりと出来るので、戦利品をドローンで研究所に送る。

 その後のことはメギドに任せて遺伝子構造や原子配列なんかを調べる、それで魔力についてのとっかかりをつかめたらいいんだけど。




 「ところでその『楽園』とやらはそんなに硬いのか?」


 歩いている途中、フェンリルがそんなことを訊いてきた。


 「ええ、私策の自慢の一品よ」


 別次元からのエネルギー、次元エネルギーで作り出した特殊なエネルギー場。

 空間を脱がませrことなく作り出せる壁は変幻自在。簡単に砕けることもない。

 さんな『楽園』にフェンリルは興味があるみたい。


 「一度試していいか?」

 「試すって?」

 「どこまで耐えられるかだ」


 つまりはフェンリルが攻撃して壊せないか試したいらしい。

 それは流石に無理だと思うよ。いくら巨大な狼だからって砕けるわけがない。


 「別にいいけど、狼の姿に戻るの?それならその前に服は脱いでよね」


 元の姿に戻れば今着ている服は確実に破ける。別に私の着ていない者だし破れてもいいんだけど、何枚も破かれてたらきりがない。


 「服を着ろといったり脱げと言ったり面倒だな」

 「だったら元の姿に戻らないで」

 「最初からそのつもりだ」


 まさかその人狼の姿でどうにかするつもり?余計に無理が過ぎると思う。

 て、そういえば魔法があったね。


 「もしかして魔法で攻撃するの?」

 「いや、殴る」

 「…まぁいいけど」


 殴っても強度なんて分からないと思う。

 岩を殴ろうがコンクリートを殴ろうが一定以上の硬さを超えると分からなくなる。


 「それじゃあ」


 そう言って振り割れた拳から轟音が響いた。


 「え、何今の威力?」

 「ふむ、拳の方が砕けたな」


 驚く私と感心するフェンリル。

 フェンリルの拳からは血が大量に出ている。

 いや待って、今の殴ったの?

 

 『観測していましたがあの体制からは不可能な威力です』


 メギドも信じられないという報告がくる。

 所謂パンチというものの威力は筋力と体制で決まってくる。今のパンチは軽く振りかぶっただけ。そして彼女の退場から考えても筋力はそこまで多くないだろう。一般の成人女性と変わらない程度。

 なのに滅茶苦茶な威力だった。

 そもそも普通の人間い出せる威力じゃなかった。


 「魔力で身体能力を上げて殴っただけだ」


 そう説明するフェンリル。どうやら普通のことらしい。

 あいかわらず万能すぎる魔力だ。


 「それより本当に硬いなこれは。全力で歯にとは言え、傷一つないぞ」


 今の出全力じゃないの?

 生身の人間で再現しようと思ったらかなりの負荷があるドーピングが必要なレベルの威力だよ。

 そして血まみれの拳が淡い光に包まれてどんどん治っていく。


 「これは治癒魔法だ」


 またしても謎原理の魔法が出てきた。

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