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初魔物

 服を着たフェンリルと共にメギドの案内でゴブリンたちの住まう村を目指して森の中を歩いていく。

 

 「その姿なら魔力とが感じられないのよね?」

 

 ただ歩いているのも暇なので暇つぶしに、改めてもの確認にフェンリルに話しかける。


 「うむ。今我の魔力は一般の人間程度にまで抑えているからゴブリン共に逃げられえることはないだろう。むしろ獲物だと思われるだろうな」

 「それなら良かったわ。ところで獲物ってゴブリンは人間を食べるの?」


 その私の言葉にフェンリルはあ眉をひそめて不機嫌そうな表情になってから答える。


 「奴らゴブリン共は人間の女を母体に使うのだ」

 「母体?」


 人間と魔物の間で子を成すてこと?

 確かにさっき見た映像のゴブリンは人に近い形をしていたし、異種交配できてもおかしくないのかしら。井出遠視レベルで近しい種族なら繁殖は出来るしゴブリンも人間に近い存在なのかもしれない。

 なんて思っていたのだけどフェンリルは付け足しように言葉を続ける。


 「奴らは人間の女を辱め凌辱し繁殖のための道具とするのだ」

 「…」


 ま、まあそういう生態なら仕方ない。仕方ないということにしておこう。人間も自分たちのエゴでづ物たちを家畜として食したり二台を引かせたり農業の動力になどしている。だから他の種族を自分たちの道具にするのは仕方のないことなのだ。


 『安心してくださいマスター。もしもの時は殲滅しますので』


 そこで前を歩いていたメギドが話に入ってきた。その言葉に嫌な気持ちになっていた心を和ませてくれる。メギドはきっと私の心の揺れを察して落ち着得る言葉を言ってくれたのだろう。


 「ありがとう。そうねもしもの時は殲滅すればいいのよね」


 こっれも自然の摂理。襲われたら反撃する。所謂正当防衛だ。


 「ところで他の魔物も人間を使って繁殖するの?フェンリルは、ってそっかフェンリルはメス、じゃなくて女の子か」


 話を変えて気になることを訊いてみる。あまりゴブリンが襲うだのとか考えているともやもやするので知識欲の方を優先する。知識欲は人間の三大欲求よりも大きいのだから。


 「だかた割れを魔物と同じにするなと言っているのに。まあそれはいいか。質問の答えだがまず我は繁殖はしない。フェンリルとは種族であり個体だからな」


 フェンリルもしかし表情を和やかにしてから説明してくれる。

 

 「それと魔物の繁殖方法だが色々だな。ゴブリンのように人間を使うものもおるが魔物同士で繁殖するものもいる。そもそも人間を使う奴らも同族同士で繁殖することもあるのだがな」


 やっぱり基本は同族同士の交配なのかしら。


 「だがゴブリンにはメスが生まれづらい。だからよく人間を使う。まあそれ以外にも胸糞悪い理由もあるのだがな」


 さっき凌辱とか嫌な単語も聞いたしベルの理由っていうのはそのことだろう。そこはあまり創造したくないのでスルーしておく。

 それよりメスが生まれづらい種族なら他の種族に頼るのも頷ける。


 「それと他の方法だが我と同じように自然発生することもある」

 「自然発生?」

 「ああ、魔物は親などのお隊が居なくても自然に魔力から生まれる、というより発生することがある」

 「…」


 また非科学的なことをフェンリルが教えてくれた。やっぱり魔力がかかわるとよくわからないことが当然のようにおこるみたいね。


 そんな風に話していると急にメギドが立ち止まりこちらを向く。


 『何かがこちらに近づいてきています』

 「何か?」

 「魔物だな」


 メギドが視線を向けてそう報告してくれる。私も同じ方にに視線を向けているとフェンリルが近づいてくるものを教えてくれる。


 「我が魔力を抑えているため獲物と思って近づいてきたのだろう」


 フェンリルが付け足すように説明してくれる。 

 そしてその直後に右側前方から何かが飛び出してきた。


 グルァァァァァァァァ!


 と叫ぶような鳴き声と共に大きな黒い塊が出てきた。


 「クマ?」


 全長が三メートルくらいある黒いクマ。普通のクマと違って目が怪しく赤く光っている、なんかすごく凶暴に見える。


 「クマ型のだな」


 これが魔物。見た目的にはそこまで普通の動物と変わらないけど、感じる敵意は動物をかなり上回っている気がする。


 「なんかすごい敵意ね」

 「それは我らのことを餌か何かだとみているからだろう」


 グルグルと唸ってくるクマを改めて見る。

 これ、どうしようかしら。話し合いなんてできそうにないけど。


 「グアァ!」


 どうしようかと見ていたら私たちに向かって襲い掛かってきた。

 狙われたのはメギドで、クマが真っすぐにメギドに突っ込んでいく。


 「フェンリル、こっち」

 「おい、あいつは良いのか」

 「大丈夫よ」


 私は巻き込まれないようにフェンリルの手を引いてメギドから離れる。そしてすぐにメギドにクマが突っ込んだ。

 でも当然メギドにあたることはなく、クマの身体はメギドの身体をすり抜けていく。


 「グア?」


 メギドの身体をすり抜けたクマは疑問そうに小さな鳴き声を上げて振り返る。


 「ホログラムだから実体とかないから無駄よ」


 言っても無駄だとは思うけど一応説明しておく。

 そしてグルグルと唸るクマ。

 また襲い掛かってきそうね。


 「とりあえず、大人しくしといてもらおうかしら」


 銃を取り出す。それをクマに向けて放つ。


 「グルァ!?」


 銃からエネルギー弾が放たれて、それを受けたクマの全身に電気が走る。

 だけどそれでクマは倒れることなく、反撃と言わんばかりに襲い掛かってきた。


 「今ので倒れないの?普通のクマなら確実に倒れているはずなんだけど」

 「魔物は普通の動物よりも頑丈からな」

 「と、それなら」


 頑丈と言われてもどれくらい頑丈なのかは分からない。銃の威力は上げられるけど、どこまで上げればいいんか分からない。徐々に上げていくという方法もあるけど、それだと無駄に苦しめることになる。それは可哀そうよね。

 だから捉えることにする。


 「『楽園』展開」

 「グア!?」


 呟いて『楽園』を展開させる。

 クマは半透明の立方体に囚われて中でガンガンとしていた。


 『楽園』は強力な立方体の薄いエネルギーでできた壁だ。

 かなりの強度を誇っており、通常ミサイル程度なら傷つけらあれないくらいには硬い。大きさや色なんかも割と自由に変えられてすごく便利なもの。立方体の楽園を作ることが出来る。

 それを私は自分の周りに自由に展開することが出来るので、こうして捕獲にも使える。


 「さて、意思疎通を試みようかしら」

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