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出会い 2

 「そのオーパーツっていうのは何?」


 新しい単語についての質問をする。


 「オーパーツは今の魔法文明以前に栄えていた文明、科学文明にできた高度な技術の品をまとめていったものだ。その娘もそうなのか」


 また知らない単語。魔法文明って。科学文明は私たちがいたころの時代の文明で間違いないだろうけど、今は魔法なんて非科学的なものが栄えているのか。まあ一度文明が滅びたから歴史がリセットされて理解できないものをそう呼んでいるだけだと思うけど。


 「そうだね。多分貴方が言う科学文明のものだね。ちなみにこ銃もそうだよ」


 手に持っていた銃を見せながら答える。


 「貴様はオーパーツをいくつも持っているのか?」

 「そうだけど?」


 頷くと狼は驚く。


 「貴様、何者だ?貴重なオーパーツを何故いくつっも持っている」


 疑うよおうな目を向けてくる狼。これかちょっと失言だったかな。


 「えっと、私は考古学者でこのオーパーツとかも遺跡とかで見つけたものだよ」


 嘘をつく。すると嘘に気付いたのか目を鋭くして狼が質問してきた。


 「ほう、考古学者か。それなら魔力について知らないはずはないと思うが」

 「私は科学文明を調べてるからそっち方面はさっぱりなの」


 いがいと鋭い。顔に出してはいないけど嘘だってばれてるな。


 「今までは貴様も素直に答えてきたから我も素直に答ええてやったが、貴様がそのつもりなら我もこれ以上答えないぞ」

 「あはは。わかったよ」


 この狼に敵意もないみたいだし、嘘はやめよう。

 私は私に敵意を向けてこない人には敵対しない。新設には同じ分だけしんっ説を返す。

 この場合は嘘をつかない。


 「ごめんね、本当のこと言うから怒らないで。ここには最近来たばかりで常識がないのは本当だよ。このオーパーツは私が作ったんだ」

 「滅びた文明の技術のはずだが、本当に貴様が作ったのか」

 「うん」


 今度は嘘はついていないのにまだ疑いの目を向けてくる狼。


 「そういえば貴様、まきなと言っていたな」

 「そうだけど」


 少し考えるような顔をする狼。多分。驚いたりしたときと違って分かりづらい。


 「その名には聞き覚えがあるな。確か、狂った発明王、だったか」

 「その呼び名は嫌い」


 何故か私の二つ名がその意味の分からない呼び名にんっていた。最初に言い抱いたやつ本当に誰。一発ぐらい殴りたかった。

 私は決して狂ってはいない。


 「その口ぶりだとまさか本人か」

 「…何でその呼び名知ってるの。まさかこの時代でも知れ渡ってる」


 そうなら本当に最悪。もう二千年眠ろうかな。


 「どうやら本人のようだな。我の聞いた通り殺しても死なない人間というのは本当らし。二千年も生きた人間など初めて見た」

 「…」


 愉快そうに口は緩める狼。私は全然愉快じゃないんだけど。超不愉快。


 「はは、安心せよ。貴様の名前が一般にはあまり知られていない。二千年経って貴様のいたころの文明は滅びたのだからな」


 そっか、それなら良かった。じゃあ何でこの狼は知っているんだろうか。


 「何で貴方は知っているの?」

 「我は科学文明が滅びる前後に生まれたからな。そのころ噂に聞いたのだ」

 「科学文明が滅びる前後って、貴方二千年前から生きてるの?」


 え、長寿過ぎない?もしかして不老治療を受けてる?それならいけなくないかも?


 「我は神獣(・・)だからな。寿命など存在せん」


 また知らない単語。神獣はそのままで神話とかに出てくる獣でいいのかな。この狼何言ってるんだ。自分は神とか言うヤバイ奴なのかも。


 「神獣っていうのは?」

 「神獣とは我のように二千年前に生まれた特別な魔物のことを言う」

 「貴方のほかにもいるの?」

 「ああ」


 つまり遺伝子改造か何かで作られた動物ってことかな。魔物もそのたぐいのものかな。

 

 「そういえば名乗っていなかったな我はフェンリル」


 そして自己紹介をする狼、改めフェンリル。フェンリルは北欧神話に出てくる着物だったかな。作った人がつけたんだろう。よくあること。私も神話とか逸話に出てくる名前を使ったりする。


 「それで貴様は何故ここにいるのだ。色々と常識を知らないようだしまさか時間を超えてきたのか」

 

 あ、正解だ。まさか充てられるとは思ってなかった。ま、私のことを知ってるなら別にいいんだけど。フェンリルは悪い人、じゃなく狼には見えないものね


 「そうだね、時を超えて復活。なんてね」

 「時間魔法、いや、時を渡る科学の機械か」

 「大体正解だよ」


 時間を止めてたから時を超えたといっても間違いじゃない。


 「ふむ、貴様についての謎は大体解けた。だから貴様からは魔力が一切感じなかったのだな」

 

 満足そうに頷くフェンリル。一人で勝手に納得しないでほしい。


 「だったら色々と教えてくれない。二千年で何があったか分からないこといっぱいあるから」

 「よいぞ、面白そうだからな」


 こうして私は狼を仲間にした。なんてね。

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