表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

ゴブリン対峙

 「フェンリル、もういいよ」

 「了解した」


 それだけ言うとフェンリルは手から炎を出して近くにいたゴブリンを燃やした。

 て、それは待って。


 「ちょっと、燃やすのはやめて!」

 「何だ?話し合いは諦めたんだろう?」

 「そうだけど、色々と調べるのに使いたいから出来るだけ綺麗な状態で倒してちょうだい」

 「めんどくさいな」


 殴ったりするのも出来るだけ避けてとお願いする。

 数は多いから大体は燃やしたりしてもいいけど、数体は残しておいてほしい。生体の調査とかで使いたいから綺麗な状態の素材が欲しいのよね。

 私の言葉を聞いたフェンリルはめんどくさそうな顔をするけど、そこでメギドが姿を現した。


 『フェンリルは好きにしてくれて大丈夫ですよ。研究用の個体は私が確保しますので』

 「そうなのか、それなら遠慮なく」


 メギドの言葉を聞いたフェンリルは躊躇なくゴブリンを燃やしていく。 

 まぁ、メギドが確保してくれてるならいいんだけどね。それでも肉の焼ける臭いがするからさけてほしいけど。

 『楽園』は解除しないでおこう。空調もしっかりして臭いが入らないようにしておかないといけないわね。


 「逃げろ」


 フェンリルがゴブリンたちを蹂躙していく。暫くして阿鼻叫喚だった場所に静寂が訪れる。


 「なかなか残酷な光景だったわね」


 とはいってもコールドスリープ前ならこれ以上の規模の戦争は起きていたのでそこまで思うこともない。せいぜい臭いが気になるくらいね。


 「それにしても、数が多かったな」


 会う気回ってゴブリンやその住まいを焼いていたフェンリルが戻ってきた。ちなみに今はどこも燃えていない。全てのゴブリンを殲滅したのを確認したフェンリルが今度は水を出して自分で消していた。

 やっぱり魔法は色々と出来て便利ね。


 「数が多かったってこれが普通じゃないの?」

 「あぁ、大体100体くらいいたが普段はこんなには群れていないな。大体10体くらいが普通だ」


 それは、かなり多い。通常の十倍ってすごい量ね。


 「まぁ、まれにあることだがな」


 異常事態でも起きているのかもと思ったけど稀にることらしい。それならそこまで気にすることないかしら。


 「それにしても魔法って使っても疲れたりしないの?」


 フェンリルは魔法は魔力を使って行うと言っていた。ならエネルギーを使っている分、疲れたりするはず。それなのにフェンリルからは疲れの色が見えない。


 「大量の魔力を使えば疲れるが、我にとってこれくらいは大した量ではない」

 「そういえばフェンリルはm力が多いとか言っていたわね。ならあどれくらい使ったら疲れるのかしら」


 100体近くのゴブリンを燃やしていたので相当のエネルギー量だと思うんだけどフェンリルにとっては大したことないらしい。それとやっぱり使いすぎると疲れるみたいね。


 「ゴブリン程度、一万くらいでも余裕だな」

 「え、そんなに」

 

 やっぱり魔法は便利だと思う。ざっと計算した感じゴブリン一体の平均質量は35kg。それもろくな布も纏っていないし、毛皮とかが生えているわけじゃないので、かなり燃えにくいと思う。そこから考えるにかなりのエネルギーが必要になる。それを簡単に行える魔法はかなりエネルギー効率がいいのね。


 「それにしても体重もほとんど変わってないわね」

 「体重?」


 体内のエネルギーを使えば体重が減る。あれだけの量のゴブリンを燃やすくらいのエネルギーを使ったはずなのに体重が変わっていない。やっぱり魔力右派質量のないものなのかもしれない。


 『マスター、確保した死体を研究所にドローンで輸送しました』

 「ありがとう」


 報告してくれるメギドにお礼を言う。研究所でメギドに大まかな調査をしてもらう予定だ。

 さて、これからどうしようかしら。


 「とりあえず改めて人間の街を探しましょう」

 『それなのですが、すでに街のようなものを発見しています』


 次なる目標を口にしたところでメギドからの報告。相変わらずの優秀っぷりね。


 「そうなのか。いつの間に探していたんだ」

 『フェンリルがゴブリンたちを一掃している間にです』

 「お前は綺麗な状態の死体を確保していたのではないのか」

 『はい。並列して行っていました』

 「器用な奴だな」


 メギドはAIだ。当然人には不可能なマルチタスクも容易にできる。それにそれくらいなら私にも出来るわよ。傷つけずにゴブリンを倒しながらドローンに支持を送るだけだもの。


 『こちらが街の映像になります』


 そしてメギドが先程のように街の様子をホログラムで映しだしてくれる。


 「今度はちゃんと人間みたいね」


 映し出された映像に映っている生物は人間に見えるものだった。街並みや人々が着ている服装は中世のヨーロッパのようなものだった。

 

 「ここって未来なんだよね。凄い文明退化してないかしら」

 『だkら言っただろう。世界的な爆発が起きて文明は殆ど滅びたと」


 そういえばそうだったわね。

 映像を改めて見るけど機械のようなものが見られない。今の文明レベルはその程度ってことか。科学の進展は割と偶然の重なり合いも多く含まれているし、大して文明が進んでいなくても仕方ないかもしれないわね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ