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別の世界ではただの日常です

ゲーム実況者

作者: 茅野榛人

 この文章を読んでくれている人は、一体何人いるのであろうか。

 最初に説明しておく、これから私は、非常に重大な事を言う。

 その為SNSのような、直ぐに拡散する可能性がある場所には書き込む事が出来ない。

 その為私はここに文章を残す。

 ここならきっとあいつにもバレづらい、一石二鳥だ。

 事の発端は半年前、私がとある新人ゲーム実況者の動画を見始めたのが最初だった。

 そのゲーム実況者はとても声が良く、正直に言って、私のタイプの声だった。

 暇があればそのゲーム実況者の動画や配信を見る生活を送るようになり、そのゲーム実況者も、着々と人気になって行った。

 やはり人気の理由は、声だった。

 そのゲーム実況者の声は、自然と人を吸い寄せるようだった。

 それから暫くして、何とそのゲーム実況者が突然、実写動画を投稿した。

 しかし顔はマスクで隠されていた為、口周りだけは見る事が出来なかった。

 しかし私は驚いた。

 何故なら私は、口周りがマスクで隠されている顔であったとしても、タイプだったからだ。

 声だけでなく、実写もタイプ、奇跡だと思った。

 ここまで来たらもう後には引けなかった。

 死ぬまでに、このゲーム実況者の素顔を見る……そう決意した。

 それからはもう、暇があればSNSをチェックし、願わくば住所が特定出来ないかと奔走する毎日だった。

 狂っていた……私は……。

 そして一昨日、何時ものようにSNSをチェックしていると、住宅街であのゲーム実況者を見かけたと言う書き込みと、画像を発見した。

 私は早速その画像から住所を特定、今日……いや日付が変わっているから昨日、私は留守中の所を狙い、そのゲーム実況者の自宅に侵入、帰宅を待った。

 暫くして、ゲーム実況者は帰って来た。

 私は持っていたスタンガンでゲーム実況者を気絶させた。

 一体……一体どのような顔をしているのか……きっと良い顔をしているはずだ……そうに違いない! そう思いながらマスクを外した。

 マスクの下の顔は……下の顔は……とても説明の出来るものではなかった。

 マスクの下の顔は、人間ではなかった。

 少なくとも私には、具体的な説明は不可能だ。

 強いて言えば……宇宙人だろうか……。

 兎に角……マスクの下の顔は、人間の顔ではなかったのである。

 マスクを外し、下の顔を見た瞬間、私は後悔した。

 ゲーム実況者のマスクの下は、絶対に見てはいけない場所なのだと言う事に、今更気が付いたのだ。

 私はその場から逃げ帰宅し、今この文章を書いている。

 今、家の扉が壊された。

 変な足音が聞こえて来る。

 二足歩行の足音ではない。

 死ぬかもしれない。

 最後に、ここまでこの文章を読んでくれた人に心からお願いをする。

 マスクをしているゲーム実況者のマスクの下だけは、ぜったいにみてはいけない。

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