32.留学生の王子様2
「な、な、な!」
なんてことを!
「あれ?真っ赤になっちゃったね!ふふふ」
「!!」
何なのこの王子様は!!
からかってるだけだよね!?
「ごめんね。騒がしくなっちゃったね。先生申し訳ございません。授業の続きをお願いいたします」
困った顔をしていた先生。
何とか授業を再開したけど、私はあまり頭に入らなかった。
授業が終わると王子様に話掛けられ、また授業が始まると王子様の視線を感じる。
それを繰り返しやっとお昼!!
すぐに元イチオシ社女子達のところに行った。
廊下で集まって話をする。
「助けてー!」
ふたりに泣きつく。
「ライル殿下は何がしたいのかしら?」
「そうね。でもとりあえず、お昼にしましょう」
学生用のレストランへ向かおうとすると王子様が教室から出てきた。
「私も一緒にいいかな?」
ニコリと微笑む。
「!!」
王子様キター!!
断れるはずもなく一緒にランチに行くことに。
元イチオシ社女子達がレストランまでの道すがら学園を案内している。
そんなふたりの後ろに隠れて心を落ち着かせながらついて行く。
「広くて綺麗なレストランだね。メニューも豊富だし。私の国の学園にも参考にさせてもらいたいな」
大きな窓からは外の景色が良く見えて、窓に面したカウンター席やテーブル席も設置されている。
食事の邪魔にならない程度に入口や壁際にお花や葉物の植物もある。
メニューのバリエーションも多い。
食事だけではなく、カフェとしても学生達が毎日楽しく利用している。
本日のランチをそれぞれ受け取り席に着く。
緊張であまりお腹が空いてないから私は少しだけにした。
はー。心休まる時間のはずだったはずなのに。
王子様はなぜ私に絡んでくるの?
「そういえばもうすぐ学園祭らしいね」
「はい。今は皆で企画を出してどの案にするか選んでいるところです」
実行委員の里英ちゃんが答えてくれる。
学園祭のお話だからおまかせして、そのあいだにランチを食べる。
「大々的に催されるらしいから楽しみだよ」
「ライル殿下が通われている学園は学園祭はされないのですか?」
「こちらの学園程の規模ではないけどあるよ。でも次は勉強させてもらったことを参考にして、もっと皆で楽しみたいと思っているよ」
こうしてると普通なんだけどな。
「ね、メリアーナ嬢もいろいろ教えてね」
「!!」
ぎゃっ!キタ!
「ランチはそれだけでいいの?良ければ私のデザートをどうぞ?」
ニッコリと微笑みながらデザートを勧められる。
「い、い、いえ。もう食べられませんので」
遠慮します!
「そう?」
優しく微笑む王子様。
周りにいるご令嬢達がチラチラと王子様を見て頬を染めている。
なんていうか、正統派なイケメンね。
ランチも終わり教室へまた戻る。
教室に入ろうとした時にレイ様が来てくれた。
「メリアーナ」
「レイ様!」
緊張状態が続いたところにレイ様の顔を見てホッとしたからか、少し涙目になってしまった。
なぜか王子様に絡まれてしまうことを相談したい!
じっと目を見つめてしまう。
「…少し時間いいかな?」
何かを察してくれたのか人の少ない廊下に連れ出してくれた。
もうすぐ午後の授業が始まるので手短に話す。
「レイ様、ありがとうございます」
やっと心休まる時が!
ホッとするー!
「いや。何でも話して欲しい。大変だったね」
「レイ様…」
「しかし、ライル殿下には婚約者の方がいたはずなのに」
「え?そうなのですか!?ではなぜ?」
「そうだね…」
レイ様もどうしてだろうと考えている。
「やはり隣の席の私をからかっているのでしょうか?」
「そんなことあるわけないよ。メリアーナ嬢が気になるんだよね!」
「!!!」
王子様突然現れた!!
「な、な、な、なにを・・・」
レイ様がサッと私の前に立ち、背中に隠してくれた。
「お久し振りでございます。ストライブ侯爵家、レイでございます」
「以前ブランカ王国でお会いしましたね。本日からこの学園にお世話になります。よろしくね」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
「君たちふたりは仲がいいんだね。どういう関係?」
「…」
私とレイ様の関係?
「先日のこちらの王宮でのパーティーでふたりを見かけたよ。しかも君、メリアーナ嬢の婚約者でもないのに、婚約者気取りだったよね」
「ッ!!」
レイ様の手に力がこもった。
「メリアーナ嬢ってとても可愛いよね。うかうかしてると誰かに取られてしまうかもよ」
「…そんなつもりはありませんよ」
レイ様の言葉を聞いて、クスリと笑って王子様は教室に戻って行った。
「レ、レイ様…」
私はなんだか怖くなってレイ様の背中の上着をギュッと掴んでしまった。
レイ様は王子様の状況を調べると言ってくれた。




