遥かなる大地
こんばんは♪ユリウス・ケイです。(^。^)y-~
いよいよ謎多い『俺』が登場します(笑)
こいつはかなり妙な行動ばかりする奴なので、いったい何が目的なんでしょうな…
(;゜0゜)☆彡
最後まで読んで下さると、その目的や意味が解って来るはずなんですが…(;´д`)アハハ
お楽しみに♪ でははじまりはじまり♪♪
彼方に広がる雲の隙間から青空が顔を覗かせるや、途端に肌が汗ばんできた。
陽射しが眩しい。
風薫る心地好さに気持ちが自然と高揚してくる。
故郷はまだまだ寒さが厳しい。
北の大地で暮らす家族は皆元気であろうか?
中華の地に来て早くも三年が経つ。
初めて中華を統一した大秦帝国。
その崩壊を目の当たりにし、その後に起こった雪崩のような乱の続発で、大地は千地に乱れた。
田畑は蹂躙され、そこかしこには無惨にも、未だ死体の山が放置されたままだ。
河川は血で染まり、死んだ魚が腹を見せたまま浮いている。
こんなにどす黒い水面を観ると、殊更に心が重苦しくなってくる。
同胞同士で殺し合わねば解決しない、『天下』とは、いったい何なのであろうか?
『天下統一』響きはとても心地好いが、その実、人間の欲望の剥き出しの行為であろう。
『何でこんな事になったのか…』
思わず溜め息が漏れでてくる。
今この乱は収束に向かいつつある。
先頃、劉邦軍が項羽軍を完全に包囲した。
その包囲を辛うじて突破した項羽が河辺で生命を落としたという…。
そんな一報が届いたが、まだ確認中との事だ。
後は戦後処理と残党苅りが行われるそうだが、負けた側には族滅という運命が待っている。
『やれやれ…』
『やりきれない気持ちで一杯だな…。』
辺り一面に漂う悪臭が鼻に衝く。
とにかく足の踏み場が無い程に、そこかしこに覆たわる死体の数々には、あちらこちらでウジが涌いており、無数の蝿が集っている有り様なので、ホトホト参っている。
空を見上げると、そんな地上の戯れ言はどこ吹く風か…青空に漂う雲は、下界の喧騒を全く気にする事なく、のんびりと流れて行く。
『今はただ空を見上げているのが一番幸せだな…。』
長く続く戦乱に慣れているのか…地元出身の兵達は逞しい。
文句も言わずに行軍している。
免疫が出来たと言う者、既に麻痺していると言う者も居る。
ただ皆、本音は現実逃避が念頭に有るようだ。
『当たり前だな!…出なけりゃ~とっくに発狂しているだろ!』
鯔のつまりは、そういう弱い人間達は、すでに淘汰された後だという事だ。
俺も慣れていると言えば嘘になるが、国許でそういう訓練は散々ぱら受けて来たし、これ迄の経験値が加わって、心身共に鍛えられた。
また、そんな事よりもまだまだ生命の危険のある戦場に居る訳で、言わば常に『死地』に立っている事の方が重要であった。
立場上、ここから逃げる訳にもいかないし、死ぬ訳にもいかない。
まあ逃げたところで、辺り一面同じ死地が続く事に変わりはなく、中華全土が限り無くそんな感じで、とても逃げ場など無い。
常に自分にそう言い効かせて、奮い起たせる事にも既に慣れてしまった。
もちろん常に警戒はしているが、かなり運も良くなければ生き残るのも困難だろう。
『まあ俺は生き残るだろうけどな…』
私事にはなるが、これを機会に話しておく事にする。
俺は実はとてつもなく強い。
まあ端的に言えば、そういう修羅のごとき訓練を実戦形式で鍛え抜かれて要るからだ。
そのため、多人数相手の戦闘経験値が非常に高い。
実際そんな身でなければ、こんな場所で平気な訳は無いのだろうけどな。
また俺には相棒として、これも戦闘力の高い配下が一人傍らに居る。
常に俺に付き従い離れない忠誠心の塊のような奴がね…。
(^。^)y-~ 如何です?まだ良く解らないですよね(笑)
この物語の主人公は韓信さんなんですけど…。
やがて『俺』が否応無く韓信さんに絡んで行きますので、楽しみにしてて下さい。
(∋_∈)そろそろ眠いので寝ます。おやすみなさい♪♪ byユリウス・ケイ