宋中の秘策
さて、田横が即時判断で動いた事がいみじくも合戦の火蓋を切った形となった訳であるが、それに対する漢嬰側が全く、何も対策を高じていなかった訳では無い。
それを説明するには、またまた少々時間を遡らなければ成るまい(^。^;)…。
韓信が散会を命じた後、漢嬰が自軍の配置に戻って来ると、宋中と項襄が揃って出迎えた。
「どうした!何か秘策でも想いついたのかな?」
漢嬰は宋中とは長い付き合いである。
直ぐにその意図するところに気がついた。
(*^^*)「ご明察です…」
宋中はそう応えると、項襄と一緒ににっこりと微笑んだ。
(*´∀`)「いいね…お前ら♪知恵は役に立つ、大歓迎だ!さっそく話を聞こうか?」
漢嬰も乗り気で身を乗り出した。
「殿は閣下と共に渡岸するのでしょう?」
「そうだ!それは伝えた通りだが…('_'?)」
何が言いたい?…漢嬰は不思議そうな顔をする。
『今さら何だ('_'?)』と言った具合だ。
σ(´▽`)「おいら一緒に行かないっす♪項ちゃんと残りますよ…」
( ゜д゜)「何だ!今さらか…いったいどういう事だ?」
σ(´▽`)「えへへ…あちらさんには"厄介な狐"が居るでしょう?きっと漁夫の利を得に来ると想うんですよねぇ…たぶん罠に掛からないっすよ♪だから必ずや無事に渡岸して来ます。だからね…念のため、項ちゃんと残って迎え打ちますよ(*´∀`)♪」
(*・д・)「お前も苦労性だね、判った!許可しよう。だが相手は腐っても鯛…5万は居るぞ。いったいどうするつもりだ?敢えて俺に話すとこをみると、何かさせたいので在ろう?」
(´▽`)「さすがは殿ですね♪勘がいい。此れは仮にですが、田横ギツネが水攻めを読んで予め皆を出し抜いて、抜け駆けして来るとしましょう♪すると、あら不思議!殿と河の中で遭遇します。でも彼の狙いがあくまでも渡岸仕切る事に在るとすれば、殿と絡むのを嫌がって、多少外に膨らみながら接触を避けると想うのですよ♪殿はその時にまず要らん事を考えずに絡んでいかぬ事。そして狼煙のタイミングを捨てて、小回りをしながら戻って来て下さい。やや田横軍を押す様にさらに外に膨らませて下さればより有難いのですが、無理はしなくて良いです♪並走して内に入れない様に頼みます…我らは、奴らが渡岸を完了する前から、射程に入り次第、矢の雨を文字通り、矢継ぎ早に降らせて可能な限り削ります。だから接近し過ぎて当たらないで下さいね!そこに戻って渡岸を完了した殿が脇腹を食い破るというのは如何でしょう?きっと効果覿面ですよ♪」
宋中はかなり自信があるらしくケラケラ笑って話を終えた(´▽`)♪
σ(゜Д゜*)「へぇ~やはりお前は変人だね♪あ…褒めてるんだぞ(≧▽≦)♪だがお前の叡智に此れまでも救われて来た漢嬰軍だ!判った!頭に入れておこう♪しかし…いやはや参ったな…」
漢嬰は嘆息しながら、許可を与えた。
(o≧▽゜)o「有難う御座います♪きっと上手くやりますよ!」
宋中も項襄と顔を見合わせながら笑みを浮かべた。
「…それ!私も参加して良いかね?」
突然彼らの死角の方角から声が掛かった。
漢嬰も宋中たちも皆、ドキリとして、反射的に声の方向に振り向いた。
するとそこには、司馬信がニコニコしながら佇んでいる。
Σ(*゜д゜ノ)Σ(*゜д゜ノ)Σ(*゜д゜ノ)
「「「!!! 」」」
三人はかなりびびってしまった…。
((゜□゜;))「司馬信殿!いつの間に…周勃と話してたんじゃ無かったのか?」
漢嬰は散会後に、司馬信が周勃に話し掛けていたのを観ていたので、少し動揺している。
(-∀-)「ええ…話してましたよ♪でも私は貴軍の備えを担うのですからね…何でも聴いて置かねば…」
司馬信はそうほくそ笑むと、直ぐにそれを否定した。
(*゜ー゜)「プププ…というのは冗談です!まぁ偶然ですな…たまたま三人で何か話し込んでるみたいなので、帰りの道すがら寄ってみたまでですよ♪で!どうです?私も咬ませて貰えますかな…」
( ゜д゜)「それは良いが、驚いたな…お前さん神出鬼没でちと気色悪いぞ…いやスマン。でどこから聴いていたのかね?」
(-∀-)「あぁ…田なんとかキツネ('_'?)が水攻め…辺りから聴いていたから、だいたいの事は承知して要るが…」
(;^ O^)「あら…そんなとこから!早耳だねぇ、こりゃ説明も不要だね…で!どう支援するつもりなのかね?」
漢嬰は呆れた様に尋ねた。
宋中はかなり度肝を抜かれている。
(*゜ー゜)『さすがは叡ちゃんの父上だね…侮れん!』
(*^^*)「あぁ…それなら♪うちの李匠は元々は秦の将軍だからな…あ!心配ないよ♪ちゃんと劉邦陛下の恩赦には預かっておる。でなけりゃここに参戦はしておらん…奴は超強力な連弩隊を持っているから、射程は恐らくお前さん達の矢より遥かに長い。だから早めに田…何とか隊に重い損害を与えられる。そしてうちの黄金騎兵の騎射はさらに射程が長く、こいつは爆発するからね…ドゴンと音がしたら早めに避けてくれよ!かなり早めに避けないと巻き込まれるからな…そうだ!撃つ前に長笛を鳴らすから、それを機に距離を置いてくれ!そしたら遠慮無く撃つからね♪どうだい?三段構えの飛び道具ならかなり削れて後々楽じゃないかね(o-∀-o)♪」
司馬信は微笑みながら、注釈を垂れると話を終えた。
(*゜ー゜)「おい!宋中、こいつはなかなか良いと想うが、お前どう思うよ?」
漢嬰は話を聞き終えると、直ぐに宋中に尋ねた。
一応これは宋中の作戦だから、念を押す。
漢嬰は無論、異論が在ろう筈は無かった。
(´▽`)「いいんじゃないですかね♪相手次第ですが、迎え討つ数が減れば減る程、此方も楽ですから!どうせなら楽な方が有難いですしね(o≧▽゜)o♪」
宋中は速断で同意した。
(o^ O^)シ彡☆「良し!どうやら決まりだな!司馬信殿、頼む♪李匠殿にも宜しく言ってくれ!」
漢嬰は満足そうにそう告げた。
(´▽`)「承知!これで決まりましたな♪ではそのように…では皆さん御機嫌よう♪」
司馬信は背中を向けるとそのまま右手を挙げて振りながら、とっとと引き揚げてしまった。
Σ(´◇`*)…「やれやれ不思議な男だな…だが奴に救われて来たのも事実。助かるな!しかしあの李匠が元秦の将軍とはな…灯台下暗しとはこの事だ!だがこの際、不幸中の幸いでもある…」
漢嬰はそう呟く様に嘆息した。
(´▽`)「ですね…驚いたなぁ♪」
宋中もそう言いながら、ふと気がついた。
( ゜ェ゜)『あぁ…ありゃあ有名な李信将軍の後裔だね…きっと!!』
彼の想像は鋭く的を得ていた。
李匠はまさに李信の嫡男であった。
彼が劉邦から恩赦を得られたのも、司馬信と張良の関係性が在ったからこそであり、劉邦が秦の連弩に大変興味を抱いたからに他ならない。
連弩の技術と引き換えに、李匠は一族の赦免を得られたのであった。
彼の一族は、司馬匠の遺言で一時的に西夏国に逃れた事で、大過を逃れたが、こうして中華に再び復権を果たす事が叶ったのだった。
蛇足では在るが、ここに記しておく事としたい。
ここに漢嬰軍側の体制も整ったのであった。
司馬信が自軍に戻った際に、李匠に声を掛けたのは、そういう経過を踏まえた上での事だった。
『お前は手柄を挙げろ!』
それは司馬信が劉邦や張良の配慮に報いよ…という李匠に向けたエールであったのだった。
こうして、濰水の河下側では、バチバチの激戦の様相が繰り広げられる事になる。
田横はどう対処するのだろうか?
また必殺の『悟リの化け物』の様な察知の如き能力で回避するのだろうか?
叡智と叡智のぶつかり合いがどんな化学変化を起こすのだろうか?
それはまだ先になる…。お愉しみに♪




