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迫真の舞台巧者

陳平は意地悪くも、稟笥(りんす)に直接話掛けて来た。


明らかにこちらに揺さ振りを掛けて来たのは明白だった。


チェッ(・ε・` )…稟笥は傍観者を決め込んで、せっかく会話を楽しく拝聴していたのに、水を()された様で大変残念だったが、こうなってはやむを得まい。


(あらかじ)め想定内で出番を待っていた訳だから、少しは役に立つ所を見せなければならない。


彼の頭は既に目まぐるしく回転しており、一気に戦闘体制に突中した(^з^)-☆


ある意味此れも言葉に依る戦いに他ならない。


条件は「陳平を助ける張良?」「張良の放った間諜?」、でお題は「私の名前か…?」(*_*)…面白くなって来た。


稟笥はそう想いながら、陳平と対峙した。

(;^^)(^^;)


彼は突然、張良の方を振り向くと、こう切り出した。(;^^)……(;^^)/☆ミ(^_^;)


「張良殿、仲間うちで腹の探り合いは止めませんか?陳平殿も仕方無く試しておられるだけですから本当の事を話してしまいましょう♪」


稟笥はあっさりそう告げた ( >д<)、;'.・


張良は(^-^;心の中でかなりドキッとさせられたが、陳平がじっとこちらを注視しているので、顔に出せない。


ところが良く見ると、仕掛けた陳平の方が口許を三角形にしながら驚いているではないか(;^◇^)


『揺さ振りに動揺する事無く、揺さ振り返した訳か?成る程…此れは面白い。』


張良は稟笥の判断に感心しており、続きが愉しみだと話に乗ってみる事にした。


しかしながら、簡単に乗ったのでは、予め口裏を合わせたと勘繰(かんぐ)られるかも知れない。


そこで敢えて逆の立場を取る事にした。


「駄目だ!間諜の分際を(わきま)えるのだ。勝手に判断してはいけない…」( ;゜皿゜)ノ


張良は出しゃばるなと言わんばかりに稟笥を(たしな)める。


すると、今度は稟笥がそれに反論する。


周勃(しゅうぼつ)様ならば、そうは言いますまい!あの御方は『(かん)』全体の事を考えておられる御方、今の張良殿の言い様を聞かれたら、(なげ)かれますぞ!そこの所を良くお考えになり、ここは大人の対応を!」(; ゜ ロ゜)


『(>_<)…こやつ割と声がデカいな…耳が痛くなる、そう言えば、ドカーンドカーンとやって居たっけな…困った奴だ…」


張良は苦笑しながら演じ続ける。


「お前という奴は!勝手に周勃殿の名前を出しおって、どう責任を取るつもりだ!うぬら間諜は、秘匿(ひとく)するのが仕事であろうが、不文律(ふぶんりつ)を破ればけじめがつかぬ!死を(もっ)(つぐな)う覚悟で言っているので在ろうな…立ち場を(わきま)えよ、お前は周勃殿から借りているから、遠慮しているが、本来なら既に首と胴が離れておるわっ!」


張良はそこまで言うと、肩でハアハア息をしてみせた(ToT)…。


稟笥も一歩も引かぬという気合いで(のたま)わる。


「そこまで(おっしゃ)るならば、後は一人でやりなされ、私は此れで失礼する!」


稟笥はそっぽを向いてしまい、ほっておけば、本当に帰り兼ねない。


張良は動悸(どうき)が止まらず、肩で息苦しく呼吸して、「( >д<)、;'.・うぬは…」まで言葉に出したものの、本当に言葉が続かなくなってしまった。


稟笥は、『それ!もう一息!』と思っていた所だったので、拍子抜けしてしまったが、内心…『やべぇ~』と思ったものの、もう遅い。


『しまった…中華の人って案外、(やわ)いのね…』


稟笥は大抵の場合、相手が騎馬民族だったり、楚国の様な武辺者(ぶへんもの)の集まりだったりした者達を相手どって来たので、張良の様な文官の、上等な方々の相手はほぼ始めてだった。


そこいらで少々計算違いをした様である。


ところがここで思わぬ助け船が入り、その窮地を脱出する事になった。


それは何と…驚くべき事に、陳平であった。


陳平は口が三角に為った後くらいまでは、まだ完全に信用しておらず、まだ演技の疑いを持っていたが、二人がいがみ合い、張良が息が出来ぬ程に苦しんでいるのを観るにつけ、少々心配に為って来た。


『(;^_^A…元はと言えば、私の疑いから生じた事…此れ程の迫真の演技は観た事が無い…ひょっとしたら、私が間違っていたのではなかろうか?仮にそうなら不味い事になったな…内憂外患は私の望む所でも無い…此れは助け船を出した方が良さそうだ…此の際、私が悪者に為っても良いから、貸しを作って置く方が、まだましだろう…』


そこで陳平は、


「まあまあ…お二人さん、そこまで言う事は無いでしょう…よ~く判りましたので、此れで手打ちに致しませんか?私も変に疑ったものだから、申し訳なかった…貴方が間諜で周勃殿の手の者という事はよ~く判りましたので、仲直りして頂いて、さっそく本題に入りませんか?私も実は困っているのです。」


そう言うと、張良の背中を優しく擦って介抱してくれた。


それを眺めていた稟笥は、


『なんだ…拍子抜けだな♪陳平って俺様から見れば、可愛いもんじゃないか…(^_^;)つまらん!まぁでも結果オーライと言うものだ。』


そう想いながら、苦しそうな張良が気の毒に為って、彼も張良の顔を見下ろした。


(*゜Д゜)えっ?…稟笥の観た張良は苦しそうな顔をしながら、(ノ∀≦。)ノ目配せして口許もにやけている。


背中を擦る陳平からは見えないが、正面に立つ稟笥からはよ~く判った…(^_^;)


(;^_^ !『え~っ…!あれ演技なんか~い♪』


稟笥は優男に一杯食わされたのに気がついて、

(^_^;)『やられた…』と思い知ったのであった。


(´▽`;)『世の中は広い…上には上が居る者だ…』


ある意味…こいつが最強かも知れんと稟笥はひ弱に見える優男に敬意を評するのであった。

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