珠玉の金言
(^。^)y-~こんにちは♪ユリウス・ケイです。
この章で一旦謎の老人は消えてしまいます。
いったい何を考えているのでしょうね(笑)
そして韓信に何を語るのか?ではど~ぞ♪
後書きでまたお会い致しましょう。
ー宮殿内・政務室ー
韓信は改めて老師に上座を勧めたが、老人は頑なに此れを固持した。
『王様♪…王様は十分私に礼を尽くされました。そのお心を忘れないで下されば良いのです。』
そう言って韓信に『ど~ぞ♪』と上座を譲る。
韓信も逸れに応えるように『ど~ぞ♪』と言って下座に促した。
『項羽とはやはり器が違うようだ…。』
老人は下座に据わると、韓信を見つめた。
『本当によく来て下された。』
韓信は改めて礼を述べた。
そして、『では早速…』と簡単な説明に入る。
『公札にお示ししたように、この國では今、内政に明るい者が不足しております。特に復興に当たっては、計画の策定と指揮する者が居らず、難儀しております。』
そう言って、簡潔にまとめた各地の報告を老人に見せる。
老人は木簡を広げて順次確認して行く。
『成る程、地方に遠ざかるに従って、余り被害は出ていないのじゃな…。』
それはそうだろう(笑)そんな事は端から分かっては要るが、念のため確認しておく、
『仰せの通りに御座います。』
韓信はそう言うと、戦前と戦後の比較をまとめた書簡を差し出す。
『ほお~♪良く出来ておりますな♪結構!』
そう言って、またしばらく目を通して行く。
『どうやら被害が最も酷いのは、旧王都の彭城と此の新たな新都の淮蔭を合わせた数十城といったところじゃのぅ♪…。』
老人は頭の中を整理しながら、ブツブツと呟いている。
老人は些かも慌てる事なく、落ちついた態度を崩さないため、韓信にはとても心強く見えた。
すると、ひと言『ふむっ…』と呟くと、書簡を置き、頭を上げて韓信を見た。
『老師…如何でしょう?』
韓信も老人の顔を見ながらそう聞いた。
『まぁ…焦らず地道に行う事じゃな♪』
老人は笑みを浮かべながら、韓信を見た。
『どの道…今日明日で目覚ましく状況が覆る事など無いからのぅ♪』
老人は再び書簡を手に取ると、眺めながら言葉を続けた。
『内政とは時間の懸かる物なのでな。』
韓信も頷きながら聞いている。
『そうだのぅ…計画的に取り組めば、何れは結果が出るものだが…但しじゃ!正しいやり方で進めなければ、けして上手くは行かぬものじゃ…どうじゃ?ここまでは良いかな?』
韓信は頷き、そのあと続くであろう老師の言葉をワクワクしながら待っている(*^^*)♪
(^-^;『ほほう…正に目が輝いておるな…。まぁそれだけやる気があるのは良い事だかのぅ♪』
老人は『フフン』と満足げに頷くと、韓信の用意した書簡をまとめて、手に持つと急に立ち上がった。
韓信は突然立ち上がった老師を怪訝に思い、いったい全体急にどうしたのかと、慌てた様子でこちらを見ている。
『王よ!少し時間を下され…。何事も急いては事を仕損じまする。』
老人はそう言うと、手に持った書簡を韓信に手渡し、『また後日…。』と言って頭を下げると、スタスタと帰ろうとする。
韓信はびっくりしてしまって、急いで書簡を机に置くと、咄嗟に老師の腕を掴んで引き留めた。
『老師お待ち下さい。いったい急にどうしたのです。私は全く訳が判らないのですが…。』
それはそうだろう。
韓信にとってはあと一息で『金言』が聴けると、ハラハラドキドキしながら待っていたのに、ものの見事に透かされたのだから、当然といえた。
すると、掴まれた腕を振りほどくでもなく、そのまま振り返った老人は、掴まれた腕に自分の反対側の手を添えると、優しい笑みを浮かべてこう応えた。
『王よ、あなたのやる気は確と受け止めましたぞ!此の短期間の間によくあれだけの資料を揃えましたな…。なかなか出来るものではありませぬ。わしはあなたのやる気に真剣に報いようと決心したのです。だから今すぐに具申するのは、適当でないと考えました。よく考えて準備をした上で、出直して参ります。』
老人はそう言って再び頭を下げた。
『老師…。』
韓信はその言葉に感極まっていた。
やっと見つけた助言者を、突如失うのではないか…という思い込みがさせた行動ではあったが、相手の本音が聴けたのだから結果オーライと云うべきなのだろう。
『有り難うございます…。』
韓信は腕をそっと離すと、両手を合わせて拝手した。
そして、
『申し訳ありませぬ。ご無礼をお許し下さい。』
と、陳謝した。
老人は、相変わらず優しい笑みを浮かべながら、
『良い、良い♪』
と言って腕を擦った。
『さすがは、天下の大将軍であったお人じゃ…握力が強いのぅ…だがやる気はジンジン感じたのぅ♪』
そう思いながら、韓信を見た。
韓信は『やってしまった…。』と反省…頻りのようである。
老人は思わず苦笑した。
一連の駆け引きの中で、観察し、恫喝し、試した。
そうするうちに、韓信の真心に触れて、心底こやつを助けてやろうと、気持ちは固まっていた。
直ぐに具申するプランが固まっていないのは、韓信に伝えた通り本当だ。
だが、当初は…
『英雄の…韓信とやらの顔を拝んでやろう♪…意見を聴かれたら適当に煙に巻いて退散しよう…。』
と半ば物見遊山の気分で来たのだから仕方ない(笑)
『いまさら真剣なこやつには言えぬがな…。』
老人は韓信を見ながらそう感じていた。
『しかし…今後はちと考えんといかんな…。腕が痛くて敵わん(笑)』
立ち上がり退散する刹那、この老人の悪戯心がさせた行為であった。
『この際こやつをもう一度試してやろう♪』
最終試験のつもりで、冷たく去るポーズをとったなら、韓信はわしを引き留めるだろうか?
『結果は合格じゃ♪…じゃがその代償は…痛かった』
老人は腕を擦りながら、決意を新たにしていた。
『王よ♪必ず期待に応えましょうぞ♪お約束致します。』
老人はそう言って拝手した。
『わしの名は左慈翁と申します。これ以降お見知りおき下され♪』
謎の老人は左慈翁という人でしたね。
韓信をただ見物に来ただけ!(笑)という…なかなか喰えない爺様でしたが、いつしか真剣に取り組む気になったのは、韓信にも魅力があるからなのではないでしょうか?
韓信も沈着冷静な戦術家ですが、礼節は苦手でした。
ところが左慈翁とのやり取りの中で、だんだんと相手に礼を尽くす姿勢が出て来ましたね。
そこら辺を表現したかったのですが、如何でしょうか?
実は韓信がここで左慈翁に出会った事が、今後の彼の運命そのものを変えていきます。
お楽しみに♪




