96話
〜〜〜〜〜
「うふふ…」
『あ〜まただ、また笑い声が聞こえる』
フワフワとした感覚に、ユウキは思わず思考を放り出してしまいたくなりながらも、耳から聞こえてくる小さな笑い声に意識が浮上していぬ。
体に当たる仄かな暖かさと、自分の体に掛かる柔らかい感覚に、身体中の力が抜けていく。
『あぁ〜何もしたくなぁ〜い、起きたくなぁ〜い』
まるで『長期連休明けの仕事人や学生達』のようなダメ思考の中、ゆっくりと目を開ける。
何故か目の前は白一色の世界だった、
ピントの合わない視線の先にあるのは、真っ白い世界。
感覚的には、何やら柔らかい場所に寝転がっているようだった。
首を少し横に向けると、そこも真っ白な世界だった…いや、よく見ると、真っ白いシーツのもうな物に見える。
自分の体に向かって皺のようなモノが見える為、恐らくシーツの上にいるのだろうと予想した。
『う〜ん、てっきりまたリリーナの膝枕かと思って…』
ボーっとした思考のまま、何気なく思った事でハッとする。
『リリーナ?膝枕?浮遊大…陸?!』
その考えが出た事で、思わず起き上がろうと体を持ち上げる…が、自分が寝転がっていた場所が、思った以上に柔らかった為、踏ん張った手が『ズブズブ』と沈んで行く。
思わず右手を引き抜こうと体を傾けると、左手がどんどん沈み込みバランスを崩してしまう。
「うわぁ?!」
左側に体ごと傾いたので、反射的な行動から何も無い真っ白い空間へと、その右手は掴む場所を探して持ち上がる。
だが、上へと上げた右手の手首から先が消える。
「ほえぇっ???」
ポスンと音を立てて、背後のシーツの上へと体が落ち、自身の重みで半分程沈み込むが、今はそれどころではなかった。
ユウキの目の前には、真っ白い空間…、そう思われていた場所に消えた右手、そこからの再度の思考停止。
その状態から右手をゆっくりと手前を引くと、白い空間から右手首が出てくる。
「えっと…これはもしかして…壁…のようなモノ?」
白い空間から出てきた右手を目の前でニギニギと開閉させた後、もう一度、目の前の空間に持っていく。
そこでやっと気がつく。
「これ空間じゃなくて…鳥の羽?」
真っ白一色に見えるが、じっくり見ると、うっすらと立体的な何かが見えて来る。
羽ば綺麗に揃っている上、僅かに発光している為、じっくり見ないと羽だと認識出来ない代物だった。
「うわぁ〜、ふっかふかだコレ。すっげぇ〜、これがウール百パーってヤツかな?」
恐る恐る表面を触ると、何やら変な事を口走るユウキだった。




