83話
どれくらい経ったのだろうか、マップ一面青一色になってから、それなりの時間が過ぎた。
『この辺りで…いいかな?』
朦朧とした意識の中、ゆっくりと手の力を抜いて行く。
それに合わせるように落下し始める浮遊大陸。
『はぁ…何か今日は意識朦朧としてばっかだなぁ〜』
クスッと小さく笑うと、浮遊大陸を海上へと落下させていく。
ゆっくりゆっくり降ろす事を意識しながら、一気に力を緩める事無く慎重に行く。
マップが真上から見下ろすタイプになっている為、実際の距離感が掴めず、『こんなものかな?いや…もう少しゆっくり目で』と、色々調整しながらも着水させようとしている。
暫くすると、背中の方からズズズズズッと振動が響き渡る、
思ったよりも大きな振動に、『また何かやっちゃいましたか?いや、こんな時に使う言葉じゃないなぁ〜』等と、何やら余裕ある事を考える。
振動は恐らく、海面に着水した事によるモノだろうと予想する。
『なら次は…っと』
マップ全体を見ていると、浮遊大陸の下から細く白い輪っかが周囲に広がって行くのが見えた。
あれが多分高波だろうと予想した。
問題は、アレがさっきまで見えていた東側の大陸に到達するまでに、どのくらいの高さになるかだ。
そう思った所でふと思い出した。
『確か…津波って、陸地に近くなる程危険になるんだったかな?あれ?それは地震の場合?この場合は高波だった?でも高波は気圧?うむむ…』
地震大国と呼ばれる日本で、その手のニュースを見た記憶を引っ張り出して来たが、津波と高波の違いやら発生した場合の伝わり方など、色々あったとしか覚えていない。
それでも、どちらにしても放置はマズいと思い、自分の出来る事を探す。
ふと画面の端の項目に目が止まる。
『そう言えば、壁ってこう…漫画やアニメで見るような結界的なヤツってあったような?』
なんとなく思い付くと、自分の中でイメージを膨らませる。
その手のアニメを思い出しながら…。
『えっと…アレだ、ニンジャ〜な人達がこう…印を結ぶと不可視の壁が現れる的な?あれ?土の壁だったかな?まぁ、魔法はイメージだって何かで言ってたからなぁ〜』
そんな曖昧な事からイメージを作ると、浮遊大陸か、広がって行く白い線の外側に集中する。
すると、ゴッソリと魔力が吸い取られる感覚がし、白い線の広がりが途中で止まる。
『あっ、ヤバい!!この感覚はぁー!!』
急激に目の前が暗くなっていく。
その感覚には覚えがあった…浮遊大陸の大地の破れ目を無くした後、周囲を囲む大きな壁を作ったあの瞬間と同じ…魔力切れ。
『あぁ…これ…さっきのよりも…ヒドい…ヤツ…かも…』
意識までも落ちて行く感覚と共に、襲ってきた眠気に抗える事も無く気を無くすユウキだった。




