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80話


『避けているつもり』と言うのは、そもそもこの浮遊大陸は、上下の高度以外、動かす方法が無い。

前後左右に動かすのであれば、何かしらの動力源や、それこそエンジンのような代物が必要になる。


しかし浮遊大陸の大元、大陸を浮かせる原理は、その大陸中の地中に埋まっている浮遊石と呼ばれる物が魔力によって浮かせていると言うモノである。

この浮遊石、魔石と呼ばれる異世界物定番のアレだが、それをある一定以上の大きさで使用すると、それこそ空飛ぶ船や飛行機のような物を作る事が出来る。


実際運営側は、将来的なバージョンアップで、こうした浮遊石を使った兵器の開発も予定していると、掲示板で裏話とも暴露話とも言えるような事を囁いていたりする。

キング·オブ·キングオンラインのプレイヤー達からは、『社内秘を話していいのか?』とよく言われているが、自称スタッフは『問題無い』とあっけらかんとしていたりする。


そのスタッフのその後は不明だが、その後もチラホラと暴露している姿が見える言葉から意図的なのではないかと言われていたりもする。


そんなスタッフの意図はさて置き、


「ん〜ぎぎぎぎぎぃ〜!!」


っと、聞いた事も無いような唸り声を出しながらも、必死に手を持ち上げようとしているユウキは、徐々に減っていく自身の中の力に焦っていた。


『やばいやばいやばいぃぃぃぃー、魔力がぁぁぁぁぁーまた減ってるぅぅぅぅぅー』


さっきがぶ飲みした魔力回復薬のお陰で、僅かながらも回復したハズだったが、その力もどんどんと減って行く。

まぁ、壁を作る時に比べれば勢いも無く、ジワジワと減っていく感覚だったが、それでも減っているというのは問題だった。


『上級ポーション…いや回復薬なのに、全然回復してないぃぃぃぃぃー!!何で?!』


リリーナが持って来た魔力回復薬は、上級回復薬と呼ばれる代物だ。

その回復量は、リリーナ自身であれば、一本でほぼ全て回復するレベルのハズだった。

しかし、基礎魔力量が多いユウキにしてみれば、焼け石に水状態だ。


ゲーム内での回復量は、下級の魔力回復薬で約百程度、中級で千、上級で一万程回復する代物だ。

普通の魔法を使うプレイヤーであれば、上級が一本か二本あれば全回復するだ。


しかし、元々が多過ぎるユウキでは、上級を五本飲んでも、全体の十分の一程度の回復量になってしまう。

今のリリーナにはそんな数値は分からない為、自分が一本で回復する薬を五本も飲めば、『即回復』と思っていたとしても仕方のない事だった。

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