69話
現在、この浮遊大陸が落下している原因は、空気中の魔素が無い為…と予想している。
実際、向こうの世界、アルテミア大陸では、今自分達の居る浮遊大陸のように、主となる人物の出現によって地上の土地が浮き上がり、形成される場合と、自然形成された浮遊する大陸を発見し、そこを長い時間をかけて開拓していく手段がある。
ユウキの持つこの浮遊大陸は、前者に当たる。
リリーナの記憶している歴史では、そうなっているのだ。
では、ゲームプレイヤーであるユウキから見たらどうかと言うと、とあるイベントと条件をクリアーすれば、運営側から選択肢が送られて来て、それをクリックすれば貰える代物との認識だ。
イベント報酬であろうと何かしらの方法で手に入れたとしても、そこに住む住人達には関係がない。
関係は無いが、一度はその住人達を巻き込んで大陸を崩壊、落下させたのだ。
そうなった原因が違うとはいえ、二度目の落下を出させる訳にもいかない。
リリーナの出した答えは、ユウキの魔力を回復させる事、そうすれば落下が止まる、或いはそのための何かを考え出してくれるかも…っと。
『コホン』と一つ咳払いをすると、リリーナはユウキに顔を近付ける。
「マスター大変です、起きてください。一大事なんです」
本人的には大声を出しているつもりだったが、実際の声は普通より小さく、人によっては聞こえないかもしれない。
案の定、ユウキは微動だにしなかった。
「うぅ…やはりダメですか…でもこのままでは」
軽く揺すったりするが当然起きない…っと、思っている。
実際には、ユウキの意識はあるものの、どうしても体に力が入らす起き上がる事が出来ずにいただけだ。
だから
『ごめん、止めて、動けないだけだから、揺すらないでぇ』
っと、心の中で叫び声を上げていたのだった。
しかし、リリーナの声は聞こえていた為、何が起こったのかは理解していた。
『浮遊大陸が落ちてる?何で?…ってアレか、タイミング的には俺の魔力か?魔力が無くなって落下とか?でも、浮遊大陸にそんな設定あったっけ?そもそも、どうやって浮いているんだっけ?』
体は何の反応も示さないが、ユウキの頭の中では、アレコレと色々考えていた。
さっきまでの魔力が背中から抜け出ていく感覚、アレでどうにか出来ないか…と。
『よくある転生系のお約束。魔力をこう…お腹の辺りで感じ取って云々ってヤツ?ええい、何でもいいから力出ろ〜!!俺の小○宙よ〜的な?』
う〜んう〜んと唸り声を上げながら眉間に皺を寄せるユウキだった。




