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55話

暫く選択画面とにらめっこをすると、意を決して


「男は度胸だコンニャロメー!!」


っと、半分ヤケになりながら『YES』だと思われる表示に触れる。

さぁどうなる?っと、身構えようとした瞬間、『ドドドドド』と地響きが聞こえて来る。


更に振動まで出て来る。

感覚的には震度一〜二と言う所だろう。

体が左右に揺さぶられ、つい目を開けて周囲を確認する。


ほんの五秒程度の揺れだったが『地震大国日本人舐めんな』など、訳の分からない事を考えつつドヤ顔するユウキ。

さっきまでリリーナが居た方へと目を向けるが、そこに彼女はいなかった。


「あれ?」


何処に行ったのかと周囲を見渡すと、玉座の間と天井との中間にある大窓から外を覗いていた。

羽をゆっくり羽ばたかせながら、その場に留まっている姿を見たユウキは、『まるでヘリコプターのホバリングみたいだな』と、本人が聞いたら激怒しそうな事を思っていたのだった。


もっとも、リリーナ本人がヘリコプターを知らないので、不思議そうな顔をされて終わりだと思われるが…。


一分くらいだろうか、外を見ていたリリーナだったが、急にユウキの方を見ると、あっと言う間に眼の前へと降りて来た。


「マスター、大成功です。大地の裂け目が無くなってます」

「お、おう?!」


やけにグイグイと近付いてきて、我が事の如く喜んでくれるリリーナに、若干引いていたユウキだったが、無事成功したのならヨシっと笑顔を向けておく。

とはいえ、亀裂はまだまだある。


なので再度寝転がると、さっきと同じように指を動かしながら、次々に亀裂を修復していく。

そんなユウキを見ながらも、安堵のため息をつくリリーナ。


実の所、ユウキが小さくなるのを目の前で見てはいたが、それとこの浮遊大陸の支配者としての立ち場は別にだ。

もしもユウキが、この浮遊大陸での操作が出来なければ、何らかの方法を考えなければならなかった。


最悪、リリーナがどうにかして操作出来るようにならないといけなかったのだが、ユウキが大地を元に戻せた事により、その不安も無くなった。


『やはりマスターこそが、この大陸の支配者です』


ユウキの知らない所で、リリーナの忠誠心が天井知らずに上がっているとは思いも知らず、せっせと大陸の亀裂を直して行く。

少し妙な疲れがあったが、ユウキとしては『まぁ、慣れない事したから疲れたのかな?』程度と思い、モニター画面をなぞってはボチッとしていく。


実行する度に地鳴りと振動が盛大に伝わり、街中では大混乱に陥っていたが、必死になって修復している今のユウキと、大喜び中のリリーナにその連絡が伝わる事は無かった。


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