51話
そんな魔力オバケのユウキだが、実はレベルを上げる『だけ』ならいつでも出来る事だった。
っと言うのもこのゲーム、経験値の貯金が出来るのだ。
ある意味『裏技』的な話になるのだが…。
このキング·オブ·キングオンラインでは、ある一定レベルで次の職業への転職が出来るシステムだ。
戦士の場合、『見習い戦士』から『戦士』へと言う具合にだ。
この『見習い』部分の称号が最初に外れるのがレベル十。
レベル十になると、あるクエストが発生し、それをクリアーする事で戦士や魔法使い等になる。
そうなると、能力値の上がり方も劇的に変わってくる。
ただし攻略サイトでは『ここでスパッと転職せずに、もう少しだけ鍛えましょう』とアドバイスされている。
それと言うのもこのゲーム、職業とレベルの他に『スキル』も存在しているからだ。
例としては戦士の場合、片手剣に両手剣、斧に槍といった武器を使用する際、それぞれのスキルレベルが高い程ダメージが高くなるようになっている。
更に専用の技が使えるようにもなる。
別に、それぞれのスキルが無くても強力な武器があれば、攻撃力に関しては問題無いのだが、一部の武器には『必要能力値』と『各武器スキルレベル』が関係してしまう。
普通の店売りの剣であれば誰であっても問題無く装備出来るが、ちょっとした魔法武器等になると、必須項目が出てしまう。
他にも色々あるのだが、一番の目玉と言うべき所が『どの職業であっても全てのスキルを使う事が出来る』だ。
戦士であっても、魔法を使う事で使用したスキルが上がる。
火の魔法を使えば『火の魔法スキル』が、風の魔法を使えば『風の魔法スキル』が上がっていく。
とは言え、そこは専用では無い為、少々上がり難くはなっている。
例えば、魔法使いが火の魔法を十回使うと『火の魔法スキル』が0.1上がったとする、しかし戦士が火の魔法を十回使っても、『火の魔法スキル』は0.1にならない、その倍は使用していかないとならないからだ。
『なら、見習い戦士から戦士に転職してからも魔法を使って行けば、スキルが上がるんじゃないか』と思われそうだが、残念ながら『全てのスキルが使用でき、上げられる』のは『見習い』の時だけだ。
ただの戦士になった後は、それまで覚えた魔法のスキルが、例えば10.0だった場合、その後、どれだけ魔法を使おうともスキルレベルは上がらなくなるし、習得していないスキルは一切使えなくなる。
攻略サイトでは、『戦士であれば戦士系スキルを全て、ある程度レベル上げしておきましょう』と書いてあったりする。
それに、無理に不得意分野を上げても、場合によっては時間の無駄にもなりかねない。
レベル十までは、魔法だろうが武器だろうが、何でもスキルレベルを上げられるが、それに必要な基礎能力値は上がらない。
レベル十で、魔力が三程度しか無いドワーフが魔法スキルを上げようとしても、一〜ニ発魔法を使用するだけで魔力が尽きてしまう。
その度に魔力回復をしなければならなくなり、時間と労力の無駄となってしまう。
ちなみに、一番多いスキル構成は、各種職業の専用スキルが三つと回復魔法や回復薬作製スキルの習得だ。




