48話
次にレベル。
ステータスと言う能力値を表示する方法が無い事により、当然ながらレベルと言う概念も無くなっていた。
その為、リリーナに確認を取っていると…
「はい、レベル?レベルとは何ですか?それも個人の強さの目安でしょうか?」
っと言われる始末。
確かに、能力の数値化が無い世界であれば、レベルという概念も無い訳で…。
例えば、日常生活をしている現代で、いきなり他者が『私はレベル百だが君は?』等と話しかけて来たら、一般人なら病院に連絡する案件だろう。
『私の戦闘力はなんちゃらかんちゃら』と言う有名セリフをリアルで一般人が言いだすようなモノで痛い。
とは言え、ゲーム内で彼女の事を知ってるユウキとしては、能力値もレベルも常識となってしまっている。
『この辺の思考は危険だな…自分だけの参考としておかないと、一般常識とかけ離れてると思われるな』
今、ユウキの前にいるリリーナは、『何やら不思議な事を言ってる』という顔をしているが、コレが親しくも無い赤の他人であったら、不信感しか無いだろうと思う。
そこは、中身二十代後半らしく色々弁えないといけない…と、ユウキは考える。
それはさて置き、リリーナのゲーム内での能力値やレベルを改めて思い出す。
レベルは自軍NPCとしては最高の二百五十、能力値も知力や魔力を中心に高い…ハズだ。
『確か知力と魔力が千三百前後だったっけ?』
〜〜〜〜〜
キング·オブ·キングオンラインでは、レベル百を超えた辺りから、能力値四桁がチラホラと出だし始める。
ただしコレはプレイヤーだからだ。
プレイヤーの場合、レベルアップ時の能力値アップはランダムだ。
力、知力、体力、素早さ、魔力の基礎能力値があり、それぞれがレベルアップ時に上がっていく。
上がる率だが、それぞれの種族と職業による能力値成長率が関係してくるシステムだ。
例えば『人間族』の場合、全ての能力値の成長率は三十パーセントになる。
そこに職業によるパーセントが追加される事により、各能力値の上がり易さや難さが出て来る。
この能力値の上がり難さが顕著に出て来るのが『エルフ族』『ドワーフ族』『獣人族』の三種族になる。
『エルフ族』は知力と魔力が上がり易く、それぞれ五十パーセントだ。
その代わり、力と体力は十パーセントしか上がる率が無い。
『ドワーフ』族はエルフと逆に、力と体力が五十パーセント、知力と魔力が十パーセントになる。
『獣人』族は素早さが七十パーセントある代わりに他の能力値がニ十パーセントしか上がらない。
ちなみに、プレイヤーが選べる種族は『人間』『エルフ』『ドワーフ』『獣人』『魔族』の五種類になる。
最後の『魔族』は、人間族より五パーセント高い三十五パーセントとなっている。
この基礎能力値の上昇率に、職業による補正上昇率が加わり、それぞれの個性に繋がるようになっている。




