45話
改めてリリーナが怖い存在だと知った現在、ユウキは玉座の座席部分に寝転がって、再度システムへのアクセスをしていた。
「余計なモノには触らない、ヨシ」
頭の中で指差呼称と例の変なポーズをしながらも、先程出した画面を見ていく。
結局、追加されていたのは『精霊』のコマンドだけ。
それと同時に、この手の転生モノにはお約束なアレが無い事に気付いた。
そう…
ステータス
武器や道具を指し示す枠は存在するのに、何故か自分自身を表示するステータスが無い。
これは困った。
自分のゲーム内キャラの能力値やレベルは覚えているが、それが今のこの体でも表現されているのか心配になる。
ただ、さっきリリーナに『鎮静』の魔法をかける事が出来た事で、何らかの能力は受け継いでいると見るへきか?
そこで問題だったのは、今の自分が『ゲームキャラになったユウキ』なのか『矢野ユウキ本人がゲームの世界に来た』のかだ。
魔法が使える事で、ゲームキャラになった説が有力になるが、ならば何故、自身の見た目が矢野ユウキ、それも小学生の頃の自分なのかという疑問が出てくる。
『両方を併せ持つ?いや、それなら何故若返ったのかとなるし…う〜ん、分からん』
謎が謎を呼び迷宮入りするレベルの謎だらけ。
いや、それでもこれだけ考える間があるのは良い方だな。
そんな事を思いながらも、気になる件からどうにかしようと考える。
正直、ステータスが分からなくても問題は無い気がするのだが、この手のお約束ならばやってみたいと好奇心がウズウズする訳で。
「う〜ん…リリーナ、少しの間だけ一人にしてくれないかな?」
「いやです」
うわ〜、即答されたよ、しかも拒否?なんで?!
「この浮遊大陸はまだ安定していません。そんな状況で側を離れる訳にはいきません」
なんだか、凄いキリッとした顔で言うさわれてしまった。
とは言うものの、安定していないって意味が分からないんだけど?何、この城っててモンスターでもいるの?
って聞いたら、例の攻めて来たプレイヤー?異邦人と彼女は呼んでたけど、それら残党がまだいるかもしれないって事らしい。
後、この混乱の中ならココまで来れる可能性があるって。
う〜ん、言われてみればそうだろうけど…ユウキとしては、ほんの少しだけでも時間が欲しい。
これからやる事は、他の誰にも知られたくないから。
「うん、その気持ちは分かるけど、オレも少し試したい事があるんだ」
「私が居てはダメですか?」
『う、ダメじゃないけど、見られるとオレにダメージががががが』
う〜んう〜んと考えて、再度お願いしましたよ、うん。
いやマジでコレ、見られたくないので。




