41話
さて、そこからの精霊達の暴走は凄かった。
3番手に光の精霊が前に出て来た。
ユウキは、自分の後ろで何やら異様なプレッシャーを放つリリーナに、後手で『止まれ』と指示を出す。
目の前に来た光の精霊だったが、何故か止まらず、そのままユウキに抱き着くように手を廻してくる。
「いや、だから待てリリーナ、ストップストップ〜、そして光の精霊、君も何やってんだよコンチクショー!!」
ついつい声に出して諌めるユウキだったが、そんな事など関係無いとばかりに左手をユウキの背中に廻してくる光の精霊。
右手をユウキの左頬に添えると、「主様、契約ヲ」と囁いてくる。
うん、それはいいケド…いや、よく無いケド、近付き過ぎだ君!!
そう文句を言いたい所だが、敢えて飲み込むと『契約する』と一言呟く。
ユウキの背中に廻された手が淡く光り、契約が終了する。
『ホッ』と息を吐いたユウキにニッコリと笑い掛けると
「ありがとう主様」
と声を掛け、ユウキの右頬に手を当てながら左頬にキスをする。
その瞬間、玉座の間の時が止まった。
先程の火の精霊の時よりも、確実に止まったと言える。
更に言えば、膨大な殺意が渦巻いていた…ユウキの背後で。
「な…な…な…」
「お、落ち着けリリーナ!!」
「うふふ、主様」
「光の精霊も挑発するんじゃない、自重しろ!!」
リリーナの方に右手を伸ばし、手のひらで静止を促す。
『頼むから大人しくなってくれ』と、必死に思いながら。
その思いが意外な結果を齎した。
「マスター?」
リリーナの問いに、ハテナマークを頭上に出しながらも振り向く。
そして見えた自身の右手に驚いた。
「光ってる?何で?」
「マスター、鎮静の魔法を使って下さったのですね、ありがとうございます。危うくそこの羽虫…失礼、精霊をすり潰してしまう所でした」
一礼をして一歩下がるリリーナだったが、先程までの殺意は無い。
ただし、ポロリと口に出した恐ろしい発言は…うん、聞かなかった事にしよう、そうしよう。
「あらあら〜やり過ぎてしまいまシタ、申し訳ありまセン主様」
そう言って離れていく光の精霊だったが、目が楽しんでる。
うん、君、全然反省してないね?むしろ、リリーナを挑発してるよね?本気で悪いと思ってたら、そんなニヤニヤ顔してないよね?
それと、謝る相手は俺じゃないよ?え、イヤだ?何でさ?!
後リリーナ、君もニコニコカオスだけど、目が笑ってないからね?冷静になったように見えてるけど、その『何時でも殺れる』って目はどうかと思うよ?
うん殺らないでくれ、頼むよ。
「双方落ち着け。ここでの争いは禁止する。分かったな?」
思わずそう言って両者の間に立つ。
どうしてこうなった?!




